小池百合子東京都知事が“世界のサカモト”とバトルか。東京・神宮外苑の再開発事業を巡り、さまざまな動きが起きている。再開発に反対する音楽家の坂本龍一が小池氏宛てに手紙を送付していたのだ。再開発事業では神宮外苑にある大量の樹木の伐採が行われることになっている。これに反対する人は多く、坂本もその1人。思いとどまるよう手紙を書き、小池氏や文部科学大臣らに送っていたという。
 17日の会見で手紙のことを聞かれた小池氏は「坂本さんが都や新宿区、文部科学省に手紙を送られたとのことです。ぜひ事業者でもある明治神宮にも送られた方がいいのではないか」と、再開発事業の事業者に名を連ねる明治神宮に意見を言うことを勧めた。

 また、「(手紙で)さまざまな思いをお伝えいただいた。事業者からは次の100年に向けて献木により緑の量を増やすと聞いている。こうした取り組みや意義を坂本さんらに伝えるよう情報発信を指示しました」と話した。再開発事業は土地の持ち主である明治神宮や三井不動産などが行う。東京都は再開発計画の認可などをしていた。

 都庁関係者は「この件で東京都や小池氏がバッシングに遭っているのは理解ができない。都知事の思いだけで民間の計画を潰したら、それこそ問題ではないか。統一地方選を前に小池バッシングに使われているのかもしれない」と指摘した。一方で再開発反対派の関係者からは「小池氏が止められるのに止めないのは問題だ」と小池氏の当事者意識のなさを批判する声が出ている。

 神宮第2球場の解体は今月中に始まる予定。都政関係者は「事業者が地元住民への説明をもっと丁寧にやればよかった」と指摘したが後悔先に立たず。24、25日と樹木伐採反対を訴える活動が行われることになっており、尾を引く問題となりそうだ。