早くも暗雲だ。大相撲春場所初日(12日、大阪府立体育会館)、綱取りに挑む大関貴景勝(26=常盤山)が小結翔猿(30=追手風)のはたき込みに屈して痛恨の黒星。取組後は報道陣のオンライン取材に応じず、会場を後にした。
1月の初場所は12勝3敗で13場所ぶり3度目の優勝を達成。綱取りには「2場所連続優勝」が必要となる中、いきなり出足でつまずいた。横綱昇進の可否をあずかる審判部長の佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「立ち合いの当たり、出足ともに良かったが、最後に急ぎすぎた。まだ初日ですから。ここから開き直って大関の責任を果たしてほしい」と一人大関に奮起を促した。
やはり、綱取りに対する〝気負い〟があるのか。そのことは、貴景勝の行動からもうかがえる。今月3日の大阪入り後は、春場所に集中するために一切の取材をシャットアウト。優勝した初場所でも、2日目以降は無言を貫いた。その後に貴景勝は「自分が思っていることと違う情報が入ってしまうと、自分の精神が上下してしまう」と沈黙の理由を説明。繊細な一面をのぞかせている。
一方で、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「綱取り、綱取りと言われて重圧がかかると思うが、考えるのは10日目を過ぎてからでいい。初日から重圧を感じていたら精神的に持たない。『全勝』とか考えずに、気楽にいったほうがいい」と〝先輩横綱〟の立場からアドバイスを送った。
貴景勝は、ここから立て直すことができるのか。悲願への挑戦は、いきなり正念場を迎えた格好だ。











