立憲民主党の岡田克也幹事長(69)は14日に開いた会見で、昨年の参院選の街頭演説中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相が長期政権の舞台裏を語った「安倍晋三 回顧録」(中央公論社)について言及した。

 同書は36時間に及ぶ安倍氏の未公開インタビューを収録したもの。野党は国会で安倍氏が総理在任中の〝秘話〟を明かした点に注目し、政府に対しその真意を追究している。

 四国に行った際、往復の飛行機内で同書を読んだという岡田氏はこう話した。

「率直に言って、一国のリーダーはさまざまな苦しみとか、葛藤がある中で、物事を決めていくものだと思う。私も与党(民主党政権)の時もそうでしたが、野党の代表を務めた経験もあります。(安倍氏は)自らやってきたことを正しかったということを述べられる。森友学園問題で、少し反省を述べられているが、ほとんど、そういう(反省した)ことがないので、私は驚いた」

 政治家の回顧録は、後世の人が本を手に取った時、「あの時、こういうことに悩んでいたんだ」と理解できるものが求められているというが、「(安倍氏の回顧録が)ほとんどそういうものがまったく感じられなかったのは、残念だという気がします」とダメ出し。

 安倍氏が2024年の米国大統領選挙で再選を目指すドナルド・トランプ前大統領に言及している点については「次の大統領選を控えた人のプライベートのやり取りを書かれたところは早すぎたと思います」と指摘した。

 同書には岡田氏についても記述されていたが、「私の名前は1か所だけしか出てきません。小沢一郎さん、鳩山由紀夫さんと並んで『元自民党だった』ということしか出てこないんで、もうちょっと出てくると思ったんですが、そこは期待はずれでした」と岡田氏は不満を隠さなかった。