マスク警察の反動が起きる!? 日本国内で新型コロナウイルスの感染が初確認されて約3年が経過。コロナ禍ではさまざまな対策が行われてきたが、なかでもマスク着用をめぐってはノーマスク派やマスク警察が現れるなど事件になることもあり国民的話題となった。脱マスクが進まないなか、政府は屋内マスク不要にかじを切るという。

 日本政府関係者によると、コロナの感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同等の5類に移行するかどうかについて、政府内で20日にも協議を始めるという。移行の時期は春を予定。コロナは現在、同法上の2類相当となっており、「5類にすべき」「いやまだ早い」など意見が分かれていた。

 5類に移行した場合、原則としては医療費が自己負担になるが、経過措置として公費負担を継続することについても検討される。

 また、同時に屋内のマスク着用についても症状がある人を除いて原則不要とする方向になる。現在は屋外ならマスクは原則不要としているが、屋内でもそうしようというわけだ。

 脱マスクが進む海外と合わせたいという意図があるようで、一部では「5月の広島サミットに向けて脱マスクしたいのだろう」と岸田文雄首相の狙いを勘ぐる声も浮上。政界関係者も「欧米は脱マスクしており、政府が『サミットまでに日本も』と考えても不思議ではない」と指摘した。

 政府の方針にノーマスク派は歓迎ムードだ。ノーマスク派男性は「やっとです。今まで会社の上司やマスク警察にうるさく注意されてきて頭にくることも多かったけど、これで屋内でも屋外でも堂々とノーマスクで歩けますよ」と声を弾ませた。

 コロナ禍となって以来、何度もマスク警察に声をかけられたという。「電車の中でオジサンに肩を叩かれた挙げ句、厳しい口調で注意されたこともありました。今年に入ってからも電車内でオバサンに注意されて『まだマスク警察がいるのか』と驚いたくらいです。これからはマスクをする人が少数派ですよ」(同)

 もっともそう簡単にノーマスク社会になるとは限らない。ネットでは「マスクをしたくない人に強制したいのではなく、感染しては困る私にマスクなしで近づいてほしくないだけなんだよ」「不要とかではなく、個人の自由でってしてほしい。そうじゃないと今度はマスクしてる人が悪者扱いされてしまう気がする」とマスク着用を続けるつもりの人も多いのだ。

 コロナに感染して生死の淵をさまよった50代男性は「後遺症がある人も多く、その後遺症の治療法もないのにマスクを外すのは時期尚早ではないか」と警戒していた。

 新たな火種の予感が漂っている。前出のノーマスク派男性は「屋内も屋外もマスク不要になったのにマスクをしている人がいたら『もうマスクしなくていいんですよ』と注意しますね。基本的にマスク着用は自由でいいと思ってますが、散々、マスク警察に言われてきたのでやり返したいという気持ちは正直あります」と率直に語った。

 ノーマスクを注意するのがマスク警察なら、マスク着用を注意するのは“ノーマスク警察”とでも言うべきか。マスクをめぐるトラブルは今度も続きそうだ。