2023年の格闘技界はどこへ向かうのか。格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(59)が新年早々、独占インタビューに応じた。昨年大みそかに全面対抗戦を行った米格闘技イベント「ベラトール」との交流から、グランプリ(GP)の構想、世界との差が浮き彫りになった国内ヘビー級戦線の〝再建策〟まで、今年の展望を激白だ。

 ――2022年はベラトールとの対抗戦5戦全敗で幕を閉じた。23年はどんな年になりそうか

 榊原CEO(以下、榊原) 今年もチャレンジの年になります。5連敗を踏まえて今後、世界と渡り合っていく上でもコンスタントに外国勢を招聘したい。コロナで外国勢が呼べないこともないですから。

 ――外国人選手との試合を組むことで、国内選手の底上げを図る

 榊原 メジャーリーガーたちに「追いつき、追い越せ」で戦える機会を、もっとつくってあげられるようにしたいと思っています。それをファンの人たちにも、見てもらえるようにしたいです。

 ――対抗戦という形に限らず、ベラトールとも交流を続ける

 榊原 そうですね。今回は来てもらったけど、こちらからベラトールに行くケースもあるだろうし。もっと積極的な相互乗り入れをしていきたい。対抗戦だけじゃなくて、日々の大会の中でそういうことが行われるようになると思います。こちらのGPにベラトールの選手が来たり、RIZINの選手がベラトールのGPに出たりとか。そういうことも今、ベラトール代表のスコット・コーカーと話をしています。

 ――ベラトールに出場となると候補は

 榊原 大みそかでは負けてはしまったけど、ホベルト・サトシ・ソウザだってクレベル・コイケだって朝倉(未来、海)兄弟だって、みんなチャンスがあると思います。武田光司もスコットはそのスタミナと折れない心にぶったまげていたので(候補に)。みんなにチャンスがありますよ。

 ――「相互乗り入れ」の可能性があるというGPの階級は

 榊原 フェザー級かフライ級かで組めればいいですけどね。ベラトールはライト級でやると聞いています。だからそこにサトシが挑んでいくっていう可能性もあるでしょうね。

 ――一方、昨年末は28日猪木祭りでシビサイ頌真がジョシュ・バーネット(米国)に、大みそかにはスダリオ剛がジュニア・タファ(オーストラリア)に完敗。磨いてきたヘビー級が海外勢に太刀打ちできなかった

 榊原 世界との差を感じさせられたよね。でも、シビサイにしてもスダリオにしても貴賢神にしてもまだ若いので、日々の大会で外国人の選手たちと対戦して経験を積んでもらいたい。本当は剛とかが世界に通用するレベルに達すれば、ベルトを作ってあげたいなと思っていたけど、それはまだちょっと時期尚早かな。

 ――強い外国人選手を当てて、スパルタ方式で育てると

 榊原 どんどん強い人を連れて来るから。負けることにテレていてもしょうがない。負けを恐れずにチャレンジさせたいと思いますね。

 ――また、那須川天心のいない大みそか大会は久々だった

 榊原 全然それはそれで問題ないと思うし。実際、1年間天心なしでもRIZIN自体は全然ビクともしていないので。これからボクシングでチャレンジをすることになるだろうから、エールを送りたいです。

 ――昨年6月にその那須川と「世紀の一戦」を戦った武尊とは、どんな関わりに

 榊原 機会があればいろいろ話し合ってはいきたいです。今後、現役をどういう形で続行していくのかですよね。どこかのプロモーションに入って複数年とか複数回の契約をしてっていう感じではないと思いますから。何か彼にとって意味や意義のあるものを僕らが見つけられたら、建設的に話が進むなら力を貸したいです。(インタビュー・前田 聡)