元女性スパイで親プーチン派のロシアの下院議員マリア・ブティナ氏(34)が米ロの囚人の身柄交換をあざ笑った。

 入国時に大麻オイルを所持していたとして懲役9年の判決を受け、服役していた米女子プロバスケットボールのブリトニー・グライナー選手と、「死の商人」と呼ばれ、米国で武器密売などの罪で服役していたロシアの元軍人のビクトル・ボウト元受刑者と身柄交換が8日、行われた。

 ブティナ氏は全米ライフル協会や共和党に潜入し、スパイ活動を行っていたとして、2018年、FBIに逮捕され、19年にロシアに強制送還された。そして、21年に統一ロシア党のキーロフ州を代表する下院議員になった。ウクライナ侵攻を支持し、インスタグラムのプロフィル欄にはZマークのTシャツを着た写真を載せている。

 ブティナ氏はロシアのSNSテレグラムに「アメリカが基本的に何年も譲りたがらなかったボウトの交換をロシアが押し通したという事実は、ゴッドファーザーのように、われわれが『相手に断れない提案をしてやった』ことを意味する。上下関係がはっきりした。同志よ」と投稿した。それだけ「死の商人」とスポーツ選手の身柄交換は、ロシアが圧倒的に得をしたことになり、あざ笑ったわけだ。

 ボウト元受刑者は、旧ソ連崩壊後、闇市場でアルカイダなどの武装組織に武器を売りさばいた「死の商人」として、米映画のモデルにもなったほどの人物だ。刑期満了は2029年の予定だった。