自民党の杉田水脈総務政務官(55)は2日、参院予算委員会で、過去に性的少数者(LGBT)の「生産性がない」などと表現した発言を撤回し、謝罪した。

 杉田氏が同委員会で発言を撤回したのは、月刊誌で子どもをつくらない同性カップルは「生産性がない」と評したことや、自身のブログに書き込んだ「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」との表現だ。

 この日、野党議員の質問に対し、ようやく「私の過去の発言などに対する厳しいご指摘、ご批判について重く受け止めております。傷つかれた方々に謝罪し、そうした表現を取り消します」と答弁した杉田氏。ただ、謝罪したのは、上司にあたる松本剛明総務相からの指示があったからだという。松本氏は先立つ会見で「民族衣装は民族の誇りに関わり、LGBTもつたない表現ということは間違いない」と語っていた。

 同委員会で質問に立った社民党・福島瑞穂参院議員は、杉田氏を総務相政務官にした岸田文雄首相に対して「内閣の一員として不適格です。罷免すべきではないか」と任命責任を厳しく追求した。

 しかし、岸田首相は「過去の発言については、政治家としてしっかり説明責任を果たしてもらうことが重要だ。政府の方針に従って職責を果たしてほしい」と拒否。いまだ続投の意向を示している。

 また、性暴力被害を公表したジャーナリストの伊藤詩織氏を中傷するツイッター投稿に「いいね」を押した件について、杉田氏は「落ち度があった」と説明。だが、自身の「女性はいくらでも嘘をつける」など〝女性軽視〟の発言については「(今後)精査して対応します」と話し、撤回しなかった。

「野党側は杉田氏の政務官としての資質や『女性蔑視と受け取れられる発言の説明責任を果たしていない』として、年明けの通常国会で追及する構えです」(永田町関係者)とまだまだ問題は長引きそうだ。