【FIFAワールドカップ】日本の至宝が運命の一戦へ向けて“戦闘モード”だ。日本代表はカタールW杯1次リーグ最終戦のスペイン戦(1日=同2日)へ向けて非公開で最終調整した。大一番で期待がかかるのは、スペイン強豪クラブでプレーし、相手チームを熟知するMF久保建英(21=レアル・ソシエダード)だ。さらに頼もしいことに、あのレジェンドとの“共通点”もあった。
いよいよ森保ジャパンの命運をかけたスペイン戦を前に、これまではサッカー以外の話題にも応じるなど冗舌だった久保が、最終調整を終えた後は一転してピリピリムードを漂わせた。
日本のファンやサポーターからの期待について問われると「口だけの選手になりたくないので、できれば今はあんまりしゃべりたくない」とピシャリ。また、バルセロナの下部組織時代やスペイン1部で4季目のシーズンを迎えた経験から相手選手を把握しているが「さっきも言ったけど、やっぱりここで口だけの選手になりたくないので。明日チャンスがあればピッチ上で語れるような選手になりたい」とスペイン戦に関する質問はシャットアウトして臨戦態勢に入った。
その上で「落ち着いている。焦っても試合は来ないので明日までいい準備ができれば。(森保ジャパンは)クオリティーは高いし、速い、強い、いろんな武器を持っている選手がいる」と同チームメートへの信頼を口にして決戦を見据えた。
昨夏の東京五輪準決勝で激突し、延長戦の末に0―1で負けた因縁の相手へのリベンジに燃える久保を支えるのが、卓越した思考能力だ。U―20日本代表監督時代に久保を飛び級で抜てきした日本サッカー協会技術委員の内山篤氏(63)は、異質な才能について、こう指摘する。
「やっぱりちょっといろんなものが違ったよね。例えば、僕は彼と話をする時に非常に考えた。それが15歳であっても。ロジカルにちゃんと話をしないと、納得してプレーしないだろうなと感じたから。もちろん指導者として選手と話して、そういうのはみんな考えて話す。だけど、より考えに考えて話をしたのは名波浩と建英だけだよ」
内山氏が最初に久保を招集したのは中学3年時。そのころから磐田時代のまな弟子で、日本代表の10番を背負って1998年フランスW杯にも出場したレジェンドの名波氏と共通する思考力を持っていることに驚かされたという。
「『そんなこと見えてるよ』みたいなところはあったね。こちらも何かインパクトを残したいと思ってしゃべり、集中して考える。私が出会った中では、建英と名波が結構そういうところがあって、とりあえず『お前頑張ってやっとけよ』という感じでは彼らは動かない」。しっかりした考えのもとでプレーしていることが現在のパフォーマンスを支えているのだろう。多くを語らなかったスペイン戦に向けても秘策を検討しているに違いない。











