小池百合子東京都知事(70)がクールビズの冬版「ウォームビズ」に動き出した。東京都庁では21日から節電対策として職員にタートルネックやセーターの着用を推奨。スーツやネクタイにこだわらず温かい服装をすることで暖房の設定温度を低く保つ狙いがある。ネットでは「冗談かと思ったら本当だった」「逆に着にくくなった」とネガティブな反応も多いが、広まるのか。

 この日から東京都庁では職員たちがタートルネックやセーターを着用して仕事をしていた。都は冬の電力ひっ迫を想定して12月1日から来年3月31日までの節電推進期間を設定している。これに先駆けてウォームビズを導入。温かい服装をすることで暖房の使用を制限しようというわけだ。

 発案は小池氏だった。18日の会見で「タートルネックとかスカーフなどを活用して、(首元を)温めると体感温度が違う。それにより節電につながる。クールビスの冬版はウォームビズなので、推奨して冬の節電を都としても率先してやっていく」と発言。これを受け、職員らが形にした。
 小池氏といえば環境相時代にクールビズを広めた実績がある。当時も毛糸のパンツでウォームビズをアピールしていたが、うまくいったという話は聞かない。今度はタートルネックで挑もうとしている。

 もっとも世間の評判は芳しくない。ツイッターでは「タートルネックは首が苦しくなる」「強制されるのは嫌」「都の職員は服装の自由もないのか」「バカじゃなかろうか」と散々な言われようだ。実際は強制ではないが、それだけ節電のためにタートルネック着用という発想のインパクトが強かったのだろう。

 広まる勝算はあるのか。東京都のウォームビズ担当者は「環境省は冬の暖房時の室温の目安を20度としています。この20度に合わせるにはタートルネックやセーターはちょうどいいんです」と話した。

 タートルネックがどれだけ影響があるかのデータはまだないが、都は衣服や体温調節について詳しい神戸女子大学名誉教授の平田耕造氏に見解を求めていた。

 平田氏によると、タートルネックは首の皮膚を温め、胸や背中の熱を逃がさない効果があり、汗をかかない状態であれば快適に過ごせ、室温(暖房の設定温度)を下げる効果はあるとのこと。

 また、タイミングが最適だったという。前出の担当者は「毎年タートルネックがネットで検索され出すのは『小雪(しょうせつ)』の時期で、ちょうど今なんです。これからタートルネックを買う人が増えるタイミング。首回りがチクチクしないタイプのもありますし、環境問題を身近なこととしてとらえる意味でも着用していただければ」と語った。小雪とは二十四節気の一つで今年は22日だそうだ。

 小池氏がフランスのマクロン大統領も節電目的でタートルネックを愛用していることに触れていたように、海外メディアの注目度も高いという。クールビズはすっかり定着したが、果たして小池流ウォームビズはどうなることやら。