銃撃事件で死去した安倍晋三元首相(享年67)の国会での追悼演説を行う立憲民主党の野田佳彦元首相(65)が、「かませ犬みたい」とプロレスファンらしく名ゼリフで、複雑な心境を明かした。

 追悼演説は8月の臨時国会で自民党の甘利明前幹事長が行う予定だったが、疑問の声が上がり、先送りされ、今国会で野田氏に白羽の矢が立ち、了承されていた。

 野田氏と安倍氏は2012年の党首討論で、解散を巡るやりとりがクライマックス。野田氏は17日に自身のブログで「火花散る真剣勝負でした」と振り返ったものの、それ以外では「思想信条や政治的な立場を同じくするものでもありませんでした」とつづり、今年5月に死去したJR東海の葛西敬之氏の会長時代に安倍氏と食事会がセッティングされたこともあったが「特に会話は弾むこともなく」(野田氏)と親交は深くなかったという。

 それだけに追悼演説で名前が挙がったことにも「私の名前が浮かんだり消えたりしていましたが、ずっと困惑していました。長期政権が誕生するきっかけとなった因縁がある上に、その最期にも立ち会う運命になるとは…。安倍氏にスポットライトを当てるための政治人生です。『かませ犬』みたいです」とした。

 野田氏は政界で一、二を争うプロレスファンで知られ、これまでも政局をプロレスの名場面にたとえ「長州力が藤原喜明のテロに遭った雪の札幌を思い出した」「魔界倶楽部が乱入してきた」などと披露してきた。「かませ犬」は1982年に長州力が藤波辰爾に対し、「俺はお前のかませ犬じゃないぞ」とマイクで言い放った言葉だ。

 追悼演説に前向きではなかったという野田氏だが「遺族の意向で自民党の総意。第2次安倍政見が誕生する直前の首相で重圧と孤独を経験され、最もふさわしい」との考えを聞き「かませ犬」ながらも演説を引き受ける決意を固めたという。

 現時点で追悼演説は10月25日に行われる予定で、野田氏は「言葉を練りに練り仕上げにかかります」と意気込んでおり、プロレス用語も飛び出すかも!?