乳酸菌やビフィズス菌は腸を整える良い菌=善玉菌なので、ヨーグルトや発酵食品は食べると健康になる! そう誰もが信じていると思う。しかし、10月7日発売の「乳酸菌と食物繊維が腸を壊す」(宝島社新書)を著した内科医の宇野良治医師はこう警告する。

「乳酸菌は名前の通り、乳酸を作り出す菌です。その乳酸をエサにして、腸内の酪酸菌が増加して酪酸を分泌します。2021年、がん研究所有明病院などの研究者が、酪酸が大腸がんでは酪酸が細胞を老化させて腫瘍の発症を加速させると発表しました」 

 乳酸菌が増えると大腸がんが進行するらしいのだ。宇野医師は乳酸菌の働きに疑問を持ち、新しい角度で腸内環境を見直すことを提唱している。 
「2018年にイタリアが発表した論文では、大腸ポリープに乳酸菌の一種である乳酸桿菌が非常に多く生息していることが分かっています。さらに、食物繊維を増やした食事で大腸ポリープの再発を防げなかったが、抗生物質で除菌すると大腸ポリープが減ったという報告もあるのです」 

 がん細胞は酸性の環境で増殖するため、同じく酸性の環境が好きな乳酸菌が腫瘍に住みつき、乳酸を作り出して周囲を酸性にし、それによってがん細胞が増える、というがん細胞が増殖するサイクルを作り出しているという。 

「乳酸菌によって大腸内に乳酸が増えれば、がん細胞にとっては絶好の環境になるんですね」 

 大腸がん予防に食物繊維がいいというのも間違いだと宇野医師。 

「近年、大腸がんの予防と食物繊維は無関係であるという研究結果が次々に出ています。食物繊維が消化されずに大腸に届くと、乳酸やビフィズス菌が増えて異常発酵を起こし、過敏性腸症候群という病気を引き起こすかもしれません」 

 過敏性腸症候群は一度発症すると、腹痛や下痢、便秘に苦しめられ、完治は難しい慢性の病気だ。日本には、なんと1000万人以上も患者がいるという。 

「発酵食品を食べれば、誰でも健康になるというのは間違いです。むしろ病気になる人がいることを知って欲しい」 

 ヨーグルトを食べるとお腹が張る人は、過敏性腸症候群の予備軍である。乳酸菌や食物繊維を食卓から遠ざけた方がいいだろう。