いったい、なぜ? サッカー元日本代表FW三浦知良(JFL鈴鹿)の次男で〝カズジュニア〟こと三浦孝太(20)が、格闘技イベント「超RIZIN」(25日、さいたまスーパーアリーナ)でブンチュアイ・ポーンスーンヌーン(22=タイ)と対戦することが発表された。紆余曲折を経て行われるプロ2戦目の相手に、聞き慣れないタイ人ファイターが選ばれたのは深いワケがある。

 スーパールーキーのプロ2戦目の相手はタイ人選手だった。2018年にプロボクシングデビューし、今年7月にWBOオリエンタルユーススーパーライト級王座に挑戦するなど7戦4勝1分け2敗の戦績を残す。ボクシング仕込みのパンチを武器に、ムエタイでも20勝3分け17敗と経験を積んでいる。

 この選手に白羽の矢を立てたのは、指導を行う「BRAVE GYM」の宮田和幸代表(46)だ。孝太が8月19日にタイのラジャダムナンスタジアムで元K―1・MAX世界王者のブアカーオ・バンチャメーク(40=タイ、旧ポー.プラムック)とエキシビションマッチを行った際、ともに現地入り。実はその目的は弟子のサポートだけではなかった。

「孝太の2試合目の相手を探す目的もあったんです。若くて総合に興味がある選手を向こうのプロモーターとかに聞いて。現地に行かないと分からないこともあるので」と明かす。

 ではなぜ、ブンチュアイだったのか。宮田代表によると、幼少期からムエタイの練習を行っているのがカギで「だから普通のボクサーより腰が強いんです。ムエタイには首相撲があり、倒されると採点の印象が悪くなるので(他の立ち技に比べ)倒されない技術がある。そういう選手からテークダウンを取れるかどうか」と意図を説明した。

 スタンドでのパンチを得意とする孝太だが、ボクサーと打ち合ってはさすがに分が悪い。勝つにはテークダウンが求められるが、ムエタイ出身のため簡単には転ばせられないというわけだ。

 そこでいかにタックルを決められるか。実戦で経験させることで成長を促そうという狙いを持つ宮田代表は「今回はMMA(総合格闘技)としての成長を見せられれば。ぜひ、彼のレスリング能力を見てもらいたいです」と強調した。

 昨年大みそかにYUSHIをサッカーボールキックで葬り鮮烈デビューを飾るも、5月が首のケガ、7月は新型コロナウイルス陽性判定で2戦連続キャンセルした。孝太は6日の会見で謝罪するとともに「皆さんが『見てよかった』と思う試合をしたいのでよろしくお願いします」と意気込み、さらに師匠の狙い通り「MMAでやったら全体的に上回れるんじゃないかと思います」と自信をのぞかせた。9か月ぶりの日本での試合で進化を証明する。