地中海沿岸原産のアブラナ科の植物であるキャベツは、古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されており、「ローマ人が何世紀もの間、医者なしでやってこられたのはキャベツのおかげである」(古代ローマの政治家・大カトー<BC234~BC149>)、「キャベツは元気をつけ、気分を落ちつけてくれる」(数学者のピタゴラス)、「腹痛と赤痢の特効薬」(近代医学の祖・ヒポクラテス)などと絶賛されており、ヨーロッパでは「貧乏人の医者」という別名がある。

「A」(免疫力増強)、「B群」(疲労回復)、「C」(免疫力増強、抗ガン作用)、「K」(止血作用)などのビタミンの他、「塩素」「イオウ」(胃腸の浄化作用、去痰作用)、「鉄」(貧血の改善)、「ヨード」(新陳代謝の増強)などのミネラルが豊富に含まれている。

 キャベツで特筆すべきことは、潰瘍の特効薬である「ビタミンU」(u=ulcer<潰瘍>の頭文字)を含むことだ。1951年、米国スタンフォード大学外科学のチェイニー教授が、手術不能の難治性の胃潰瘍患者にヨーロッパの胃潰瘍に対する民間療法であるキャべツ汁を飲ませたところ、全員が治癒したことから発見されたビタミンだ。

 ビタミンUは、胃・十二指腸潰瘍で傷ついた粘膜を修復する他、肝機能強化にも役立つ。胃腸薬「キャベジン」はキャベツのこうした効能をモトに作られたのであろう。

 また、イオウ化合物の「スルフォラファン」がガン細胞の増強を抑えることがわかっている。昔からヨーロッパの自然療法病院では、ガン患者にキャベツを“処方”していた所以である。こうしたキャベツの効能に浴するには、「千切りにしたキャベツにかつお節と醤油をかけて食べる」「浅漬けにして常食する」他、人参2本(約400グラム)、リンゴ1個(約300グラム)、キャベツ100グラムを刻んでジューサーにかけ(約510cc=コップ3杯弱できる)、1日2~3回に分けて飲まれるとよい。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は生島ヒロシ氏との共著「70代現役!『食べ方』に秘密あり」(青春出版社)。