総資産2430億ドル(28兆6400億円=米ブルームバーグ調べ)という世界一の大富豪イーロン・マスク氏(50)が、ロシアのプーチン大統領にツイッターで“決闘”を申し込んだ騒動が思わぬ様相を呈している。ロシア政府は沈黙を保っているが、プーチン氏に代わって元ロシア副首相でロシア国営宇宙開発企業のCEOが反撃を開始。ロシア文学が持ち出されたかと思えば、「トイレを済ませろ!」と書き込まれるなど、上品なのか下品なのか分からない展開を見せている。
電気自動車メーカー「テスラ」や宇宙開発企業「スペースX」を創業した、大富豪のマスク氏は14日、「私はここで、ウラジーミル・プーチンとの一騎打ちに挑む。ウクライナを懸けて」とツイート。プーチン氏の名前はロシア語、ウクライナの国名はウクライナ語で書いた。さらに1時間後、ロシア連邦政府の公式ツイッターに向け「この戦いに同意しますか?」とロシア語で挑発した。
これによってマスク氏のツイッターはお祭り状態。コメント欄には、柔道やプロレスで2人が戦うアイコラ画像や動画などまで投稿されている。ロシア語で「プーチン氏があなたの挑戦を受け入れたら驚く?」と聞いてきた女性に、マスク氏は「それは名誉なことだろう」。「ちゃんと考え抜いたのか?」とのツッコミには「私は全く真剣だ」と返した。
また「プーチンはマジで最悪! イーロン・マスクを見くびるな」とつぶやいた中国人は、7年前に出版されたマスク氏の自伝「未来を創る男」から、こんな武勇伝をスクショして投稿。これは米ニューヨーク州の保養地にある城で、日本をテーマにコスプレ誕生日パーティーを開催したときの話で、マスク氏はサムライの格好だった。
「世界トップの相撲レスラーが、仲間を何人か引き連れて登場。城には土俵が用意され、マスクはチャンピオンに体当たりした。『160キロもあるからビクともしなかった。アドレナリン全開でどうにか彼を持ち上げたけど、最初はわざと勝たせてくれたんだ。2回目は完敗で、背中がまだ痛いよ』とマスクは言った」
この投稿に対しマスク氏は「そう、世界チャンピオンの相撲レスラーをなんとか投げたんだけど、首の椎間板を痛めちゃって、7年間も狂ったように背中が痛かったんだ!」と答えている。
ロシア政府は無視を決め込んでいるが、代わりに元副首相でロシア国営宇宙開発企業「ロスコスモス」のCEOであるドミトリー・ロゴジン(58)が受けて立った。マスク氏の“決闘申し込みツイート”を引用し「小悪魔のお前はまだ若い。弱すぎて、俺と勝負するのは無理。時間の無駄でしかない」などとつぶやいた。
ちなみにこれはロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンが、教会至上主義を風刺したおとぎ話「司祭とその使用人バルダの物語」(1830年)から引用した一節。貪欲で恩知らず、ごう慢な人間は必ず罰せられなければならない、との意味があるという。
ロゴジン氏に若造呼ばわりされたマスク氏も黙ってはいない。「あなたはタフな交渉人なんですね! OK、ペイ・パー・ビューのお金を10%多くしてあげる」と返信。クマにまたがり上半身裸で水辺を疾走するプーチン氏と、火炎放射器を発射する自身の写真を並べ、「ファイターを選択して」とタイトルを付けた。続けて「彼(プーチン氏)はクマも連れてこられるよ」と挑発し返した。
マスク氏はこのツイートを自身のツイッターのトップで見られるよう固定。さらにロゴジン氏に向け英語とロシア語でこうつぶやいた。
「そして…ええと…読書クラブをつくろうか。“ある愚か者は、心なき愚か者と同じく惨めな愚か者である” フョードル・ドストエフスキー、白痴」
ロシア文学を持ち出したロゴジン氏に、マスク氏はロシアの文豪・ドストエフスキーの代表作「白痴」で対抗。するとロゴジン氏も15日夜、マスク氏の固定ツイートと「私のツイートの少なくとも50%は便座の上で」という過去の投稿を貼り付け「イーロン、トイレを済ませろ、話はそれからだ」とつぶやき、これを固定ツイートにしてやり返した。もはや全く終わりが見えない展開だ。












