コンビニやスーパーで見かけることが多くなったプロテイン商品。粉末だけでなく、飲料やお菓子なども目に付き、ぐっと身近になったのは、筋トレ好きや運動習慣がない人にも支持されているからだ。「運動しないプロテイン愛好家」の肩書を持つ〝プロテインひろこ〟こと森口ひろこ氏にプロテインの上手な使い方や、人気の秘密を教えてもらおう。
――今さら聞きづらいんですが、そもそもプロテインとは…
森口ひろこ氏(以下森口)日本語でタンパク質という意味です。私たちの体を維持するための必要な3大栄養素(脂質・炭水化物・タンパク質)の一つでもあります。髪の毛やお肌を奇麗にしてくれる材料になるだけでなく臓器やホルモンなどにもタンパク質が重要な役割を果たしています。
――重要なのは分かりますが、わざわざ補充する必要があるのでしょうか
森口 お肉や魚、卵などタンパク質がとれる食事をしっかりできていれば良いのですが、年をとるとだんだん食が細くなってきますよね。そういった方はタンパク質も不足しがちになり、筋力や免疫力の低下にもつながりますので、プロテイン飲料などで補っていくことが大切なのです。
――だから筋トレ習慣もないような中高年世代も購入しているわけですか。フレイル予防にもなりそうですね。では、粉末を溶かして飲むことが多いプロテインを摂取するタイミングは
森口 私がいつも初心者の方にオススメしているのは朝にプロテインを飲む方法です。朝は忙しかったり食欲がなかったりしてしっかりと朝食をとるのが難しいですよね。だからといって朝食を抜いたり、パンとコーヒーだけというようなタンパク質が少ない食事だと、どんどん筋肉が分解されて体が衰えてしまいます。朝食でお肉や魚、卵といったタンパク質がとれていない方には、朝に粉末のプロテインを水または牛乳で割って食事にプラスすることをオススメします。
――どんなプロテインから試せば良いのでしょうか
森口 プロテインには種類があります。一番多いのが、吸収時間が早い動物性のホエイプロテインで、運動して筋肉を付けたい人が利用しています。しかし、乳由来が体に合わないという人や動物由来の食品を食べないヴィーガンの人向けに、大豆を原料にした植物性のソイプロテインも増えてきています。ソイプロテインは吸収時間が5~6時間とゆっくりなので小腹にたまります。全く運動しない人で食事量をコントロールしたい人にもオススメです。
――摂取する頻度は
森口 タンパク質は体の中にためておくことができないため、1日を通してこまめに摂取することが大切なんです。朝にプロテイン、昼に普通の食事、夜にステーキを軽く食べるなどして1日かけて均等にとるようにしてください。
――ちなみに成人はタンパク質を1日にどれぐらいとるべきなのでしょうか
森口 厚労省は、男性65グラム、女性50グラムを推奨しています。しっかり運動して筋肉をつけたいと考えている方は体重×1・5~2グラム程度のタンパク質を目安にとると良いです。
――最近はコンビニやスーパーで驚くほど多くのプロテイン商品を見かけます
森口 様々な商品が発売されていますよね。チーズタルト専門店「PABLO」のチーズタルト味を再現した粉末タイプのプロテインや、ベビースターで有名な「おやつカンパニー」さんが発売した「BODY STAR プロテインスナック」というものもあります。健康食品というとおいしくないというイメージを持ってしまいがちですが、同商品はジャンキーな味が楽しめるだけでなくタンパク質を20グラムもとることができるんです。
――バータイプの商品も各社から発売されていますよね
森口 トップバリュの「PROTEIN BAR」は1本105円で15グラムのタンパク質がとれますから、コスパが最強です。このように多種多様なものが登場しているので、健康づくりの一環として楽しんでみてはいかがでしょうか。
☆もりぐち・ひろこ 350種類以上のプロテインを試したプロテイン愛好家。プロテインを取り入れることで肌質の改善やダイエットにも成功。女性向け美容専用プロテイン「タンパクオトメ」のプロデュースも行っている。