119期・120期のルーキーを取り上げる「challenge! 新人選手紹介」。今回は昨年12月13日に松戸で落車、鎖骨骨折から新年の急復活をもくろむ男を紹介する。A級1・2班に特別昇班した119期の卒業記念チャンピオンの桑名僚也(24=埼玉)。自在戦を磨き上げる異端児の素顔に迫った。

 高校、大学は自転車部に所属。「タイムもそんなに出てないしプロになれるかどうかわからなかったけど、とりあえず〝試験を受けたいんです〟と」埼玉支部を訪ねた際、のちに師匠となる飯田威文(50=埼玉、67期)と運命的な出会いを果たす。

「そこに飯田さんがたまたま居らっしゃったんです。最初は自分の師匠になってくれそうな方を探してくれていたんですけど見つからず、『オレで良ければ面倒をみるよ』と言ってもらいました」

 ノビノビやらせながらも要所ではビシッと指摘する飯田の指導法が「先行はしたくない」と当時言っていた異端児・桑名にはピタリとハマった。

「師匠は『あまりうるさく言わないオレ(が師匠)で良かったと思うよ』と周りに言ってると聞いたことがあります(笑い)。確かにそう思うし、あと兄弟子や風音などがいて練習環境も抜群。ありがたいです」

 飯田の愛娘で同期同門にあたるガールズの風音(120期)は切磋琢磨し合う特別な間柄だ。

「風音は練習で男子選手に付いていくし本当に強い。初優勝してからはモチベーションも上がったみたいで〝もっと練習したい〟と練習量がさらに増えた。それに付き合わされるので、自分も脚力が上がっていきそうです(笑い)」

〝若手は先行して力を付けていく〟という風習がある競輪界だが、桑名はデビュー以来、一貫して「自在」とコメントしている。たまに一周先行も見せるが、基本スタイルは好位確保からのショートまくりというルーキーにしては異色のレーススタイルで奮闘中だ。

「いろいろ言われることもあるんですけど。自分に抑え先行して逃げ切る脚力はないので。自分の長所でもある『流れの中で考えながら落ち着いて走る』レースをして、しっかり結果を出していきたいと思っています」と信念を持って自在戦を貫いている。

 昨年12月の松戸からは戦いの場を1・2班戦に移した。昇班最初のシリーズで落車し右鎖骨を骨折してしまったが、さまざまな経験を糧にして成長していくタイプなだけに、この失敗も今後の肥やしにしていくはずだ。年が明け練習も再開し「和歌山(2月17~19日)から復帰できるように」と気持ちを入れ直している。

 いずれ埼玉を、いや、輪界を代表する自在選手になるであろう桑名の成長をじっくりと見守りたい。

Q&A

 ――松岡辰泰(熊本)と仲が良い?

 桑名 松岡さんは日体大の1つ上の先輩で3年間ずっと一緒にいました。兄貴みたいな感じです。『早く(S級に)上がってこい』と言ってもらっているし、自分も早く対戦したいと思ってます。

 ――同期の存在は?

 桑名 同期に負けたくないっていう思いは強いです。自分はチャレンジ卒業が同期の中で14人目だったので。すでにS級で活躍している人もいるし、遅れを取り戻したいって気持ちは原動力になってます。