2022年のグレード戦線も立川からスタートだ! GⅢ「開設70周年記念」(鳳凰賞典レース)が4~7日の4日間の日程で開催される。S級S班は平原康多(39=埼玉)、吉田拓矢(26=茨城)、清水裕友(27=山口)、守沢太志(36=秋田)が出場予定で、新田祐大(35=福島)も名を連ねる。地元の期待を背負うのは東京が送り出す大型先行レーサー・武田亮(22=東京)だ。師匠・山崎充央(47=東京)の鬼の系譜を受け継ぐ若きエース。山崎一門で切磋琢磨する武田が、切実な思いを胸に伝統の一戦に挑む。

 生粋の立川ボーイが、念願の舞台に立つ。武田亮は立川市にある昭和第一学園高から自転車競技を始め、競輪選手になった。「高3になる前、くらいですね。選手になろう! と思ったのは」。高校時代から立川バンクで練習する機会もあり、思いは募るばかり。ちょうど2018年4月に立川市自転車競技連盟を主体とし、コーチには1960年ローマ、64年東京と2回の五輪に出場した大宮政志氏を迎え〝大宮道場〟が設立される頃だった。

 迷わず〝大宮道場〟に飛び込むと、怖い人がいた。師匠となる山崎だった。ガッツあふれる走りで、輪界屈指のマーク屋――。「師匠は厳しいんですけど、自転車、競輪だけじゃなく私生活についても教えてくれます」。親身になって、何もかもを教えてくれる。山崎が心の師としているのは故・伊藤公人さん(40期)で「伊藤グループの人間のつながりが素晴らしくて。自分もそれを見習えれば」(山崎)と、ただの師匠と弟子、教える人と教えられる人、ではなく伝え合う人間同士としての生き方を貫いている。

 武田は2021年7月にS級に昇格すると、一気に頭角を現わした。「記念で結構、活躍できましたかね」。ロングスパート辞さずの闘志で何度も別線を圧倒。だが今は「足りないものだらけ」という。師匠・山崎も「能力で走っているだけ」と見ている。「どの時代でも強い選手はピッと芯が入っている。武田にはまだそれはない」。今回は「上位の選手に触れて、肌で感じてほしい。立川記念はメンバーもすごいし、いいチャンス」と思っている。

 地元記念の大舞台で師弟連係の機会もありそうだ。武田は「緊張しますね…」と早くから口元を引き締める。山崎から「まさか『Sお願いします』とか言わないだろうな」とクギを刺されると、「もちろん後ろからです」とニッコリ笑った。その笑顔は若干引きつっていたが、それはその責任を知っているからこそ。育ちつつある〝芯〟がある。山本勝利(23=東京)、水森湧太(22=東京)やといった大宮道場生の先陣を切って立川記念に挑む。東京を盛り上げる男たちが鬼の熱い指導の下、育っている。

☆たけだ・りょう 1999年5月13日生まれ、東京都出身。178・5センチ、85キロ。しなやかな体格から繰り出す先行でレースを支配する東京の大砲。