凄惨な事件の状況が明らかになってきた。25人が犠牲となった大阪・北新地のビル放火殺人事件で、現場の心療内科クリニックの防犯カメラ映像に、炎や煙から逃げる利用者らを捕まえようとする谷本盛雄容疑者(61)の姿が映っていたことが分かった。
捜査関係者によると、エレベーターで来院した谷本容疑者は、床に置いた紙袋を蹴り、ガソリンとみられる液体に着火。燃えさかる炎の中、クリニック奥の診療室の方に向かい、逃げ惑う人々を谷元容疑者が捕まえようとする姿が映像に残されていたという。ガソリンは11月下旬、ガソリンスタンドで「バイクに使う」と虚偽の説明をして、約10リットルを購入していた。
また、自宅とみられる大阪市西淀川区の住宅からは、2019年7月に起きた、36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件の新聞記事の切り抜きや、「放火殺人」と記された手書きのメモが見つかった。今年3月に徳島市で起きた雑居ビル放火では、ご当地アイドルグループのライブ中、ビル3階のエレベーターホールにガソリンをまいたとして、殺人未遂などの罪で起訴された男が「京アニ事件をまねた」などと供述している。
事件の詳細が明らかになることで、模倣犯が現れることを心配する声も上がるが、犯罪心理に詳しい関係者は「今回の容疑者のような思考の人間は一定数いるから、詳細を伏せたところで、模倣しようとする人は出てしまうだろう」と指摘。ガソリンの販売に関しても、ウソをつかれたら販売店はお手上げだ。不備を是正する法改正はもちろんのこと、建物の管理者は初期消火設備を充実させ、利用者は一刻も早く逃げられるよう避難経路を把握する。こうしたことを社会全体で積み重ねていくしかない。












