大坂なおみ「危険なスマホ依存」から逃れる〝秘策〟…メンタルケアの専門家が提言

2021年06月02日 05時15分

うつ病を告白した大坂なおみ(ロイター)

 ここから立ち直れるのか。テニスの4大大会・全仏オープン(パリ)で会見ボイコット騒動を起こした女子世界ランキング2位・大坂なおみ(23=日清食品)が、自ら「うつ」を公表し世界に衝撃を与えている。今後の復活へ向けて心のケアはテニス人生を左右する最重要課題だ。極度の〝スマホ依存〟もささやかれる中、うつ病と闘うスポーツ選手を診療する精神科医を本紙は直撃。メンタルケアの専門家が早期の回復を実現させるために提言した〝秘策〟とは――。

 大坂は全仏オープンの1回戦を突破後、大会前にインスタグラムで宣言していた通りに会見を拒否。罰金1万5000ドル(約165万円)を科され、主催者側から大会からの追放や他の4大大会出場停止の可能性まで通告された。すぐさま自らのSNSで〝反論〟を投稿したが、その後に一転して棄権を表明。スポーツ界に大きな衝撃を与えた。

 大坂はツイッター上で「2018年の全米オープン以降、長い間うつに悩まされ、その対処に本当に苦労してきました」とした上で「しばらくコートから離れようと思う」とつづり、長期休養の可能性もうかがわせている。果たして、ここから大坂は立ち直ることができるのか。一部のテニス関係者が危惧しているのは、一連の騒動の〝発信源〟がいずれもSNSだったという点だ。

 大坂はコート入場の際もスマホを手に持ち、プライベートではツイッター、インスタグラムで近況を頻繁に公開。昨年は誹謗中傷に耐えられずにスマホの電源を切ったことも明かしており、極度の〝スマホ依存〟がメンタルを崩壊させているとの見方も出ている。

 そこで本紙は、うつ病と闘うスポーツ選手を診療し、自身もうつ病の経験がある北本心ノ診療所(埼玉・北本市)の岡本浩之院長(42)に話を聞いた。まず、大坂の一連の言動について「だいぶ精神的に消耗し、うつ状態であることは確かだと思います。もともと彼女は神経過敏になりやすく、安定した対人関係が苦手なのでしょう。その状態でとことん突き詰め、限界を超えて精神的に追い込んだために爆発したのではないでしょうか」と分析する。

 今後については「完全にテニスから離れなくてもいいけど、ストレスになるような雑音を少し切り離し、冷静になる環境を整えた方がいい。スマホ? それが彼女にとってのコミニュケーションで、本音を出せる場所であるなら大事にするべきです。発信することが息抜きになっている可能性もある。なくしてしまうと逆に落ち着かず、不安になる可能性もあります」と指摘した。

 大坂はこれまでコーチ解任や就任など、ほとんどの発表をSNSで行ってきた。今回の会見拒否や棄権の公表もインスタ、ツイッターだ。これまでは表現の場として機能していた側面がある一方で、今回のような〝炎上〟とも隣り合わせ。その対処法として、岡本院長は「リプライできる人を制限したり、限定して公開したり。または裏アカウントを作るのも一案です。とにかく我慢せず、自分の感情をこっそりと吐きだせる場所を作ることで回復が早くなると思います」と提言した。

 現時点では次の4大大会、ウィンブルドン選手権(28日開幕、英国・ロンドン)は欠場する可能性が高く、金メダルを目指す東京五輪の出場も不透明な状況。心身両面での完全復活へ向けて、SNSとの付き合い方も大きなカギとなりそうだ。

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