【全豪OP】大坂なおみ2年ぶりV王手!元女王セリーナに引導渡す「歴史的完勝」

2021年02月19日 05時15分

大坂なおみはセリーナに完勝。元女王に引導を渡した(ロイター)

 元女王を泣かせた! テニスの全豪オープン女子シングルス準決勝(18日、メルボルン)、世界ランキング3位の大坂なおみ(23=日清食品)は同11位のセリーナ・ウィリアムズ(39=米国)を6―3、6―4のストレートで完勝し、2年ぶりの優勝へ王手をかけた。今大会絶好調だったセリーナは心をへし折られ、会見ではショックのあまり号泣。一時代を築いた生きるレジェンドに引導を渡す「歴史的一戦」となった。

 大坂は4大大会シングルス23度の優勝を誇る天下のセリーナに、圧巻のプレーで完勝。試合後は「彼女との対戦はいつでも光栄です。ひどい試合にしたくなかった」と子供のころから憧れるレジェンドに敬意を表した。第1セット、サーブに苦しみ第1ゲームでいきなりブレークを食らうスタートだった。ただ、DAZNテニス中継の解説者・佐藤武文氏(49)は出だしのつまずきが勝ちにつながったと分析する。

 甘いセカンドサーブではセリーナに強烈なリターンを食らうのが常だが、佐藤氏は「第1ゲームの後、大坂はセカンドサービスの球種を高く跳ねる『キックサーブ』に変えてきました。セリーナは予想より高くバウンドしたボールをハードヒットできず、大坂は強烈なリターンを食らうことなく、ブレークポイントを取られても挽回できた」と指摘。その日の自分と相手の状態を冷静に見極め、プレーに反映させる調整能力の高さを見せた。

 2018年全米オープン決勝での2人の因縁対決は記憶に新しい。セリーナが審判に執拗にクレームを付ける大荒れの展開で、大坂が初の4大大会Vを飾った表彰式でも観客はブーイング。大坂が「みんながセリーナを応援していたのは知っている。こんな終わり方になってごめんなさい」とけなげに涙した。当時は2人の存在感の大きさはまるで違ったが、この日の試合で〝潮目〟は完全に変わったようだ。

 佐藤氏は「今後の女子テニスの勢力図を変える一戦になった。今日の大坂が見せつけた力の差が、セリーナに引導を渡す形になってもおかしくありません」と話し〝歴史的一戦〟になったとの見方を示した。

 セリーナは、マーガレット・コート氏(78)の持つ4大大会最多24勝まであと1勝。出産、子育てを経て苦労しながらカムバックしたが、すでに39歳と残された時間は多くはない。佐藤氏は「セリーナは今大会、体を相当絞り込み、いい状態を作り上げてきた。顔を見ただけで分かるほど。プレーもキレッキレで、順調に勝ち上がってきた。今回は本当に大きな優勝チャンスだったんです」。しかし、次世代のエース大坂にまさかのストレート負け。Vの絶好機を逃した上、力の差を見せつけられたショックは計り知れない。

 海外でも、セリーナがこの日を最後に全豪の舞台に別れを告げるのではないかという報道が相次いだ。記者会見で「これが別れになるのではと言う人もいるけど?」と問われたセリーナは「分からない。でも別れだったとしても誰にも言わないわ」と返答するのが精一杯。その後に目から涙があふれ、会見の途中で席を立った。

 セリーナを泣かせてしまうほど手の付けられない強さを身に着けた大坂の決勝(20日)の相手は、世界ランク24位のジェニファー・ブレイディ(25=米国)。4大大会決勝に強い理由について大坂は「準優勝者を人は覚えていない、というメンタリティーでいる。勝者の名前こそが刻まれる。決勝は最もハードに戦っている」と言い切った。4度目の4大大会制覇は、すぐそこまで迫っている。

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