テニスの全豪オープン女子シングルス準決勝(18日、メルボルン)、世界ランク3位の大坂なおみ(23=日清食品)は同11位のセリーナ・ウィリアムズ(39=米国)を6―3、6―4のストレートで下し、2年ぶりの決勝進出を決めた。

 4大大会23回の優勝を誇る女王を圧倒した。第1セット、ファーストサービスが入らず、いきなり第1ゲームをブレークされてしまう。しかし、この日の大坂はリターン、ストロークともに絶好調。第3ゲームから5ゲームを連取するなどセリーナをねじ伏せた。

 ピンチにも崩れなかった。第2セット、4―3で迎えた自身のサービスゲームでダブルフォルトを連発。セリーナにブレークを許してしまう。しかし第9ゲーム、バックハンドが冴えわたり、すぐにブレークバック。最終ゲームでは、この日苦しんだファーストサーブをすべて決め、ラブゲームで勝利を決めた。

 試合後のインタビューでは「序盤は緊張していて少し怖かったが、今日はお客さんが戻った初めての日。楽しむことにしました」と話し、新型コロナウイルス感染防止のためのロックダウンから解除され、会場に戻ってきたファンから大声援を浴びた。セリーナとの対戦については「彼女との対戦はいつでも光栄です。ひどい試合にしたくなかった」と、子供のころからあこがれてきた特別な存在に敬意を表した。

 セリーナ戦は因縁の対決でもあった。2018年の全米オープン決勝。セリーナが判定を巡り審判に執拗にクレームを付け、計3度の警告を受ける大荒れの展開となった。大坂が初の4大大会Vを飾ったが、表彰式でもブーイングが起こり、「みんながセリーナを応援していたのは知っている。こんな終わり方になってごめんなさい」とけなげに涙した姿は誰もが忘れないだろう。

 あれから2年半。技術もパワーも、そして精神力もさらに成長した大坂。真の“なおみ時代”の到来を強くアピールする勝利となった。