8日開幕「全豪オープン」 錦織はタイガーマスクになれる! サーブ&ボレーで四次元殺法

2021年02月04日 11時45分

【写真左】変幻自在だった初代タイガーこそ錦織が目指す究極形【写真右】錦織は戦術の幅を広げてきそうだ(ロイター)

 世界中のスポーツイベントが新型コロナウイルス禍で不透明な中、テニス界は新しいシーズンのスタートを切った。8日開幕の4大大会「全豪オープン」(メルボルン)には日本が誇る男女エースの錦織圭(31)、大坂なおみ(23=ともに日清食品)が出場。2人の目標はもちろん、4大大会制覇だが、その一方で今夏の東京五輪メダル獲得にも期待がかかる。そこで本紙は両エースの「特別な1年」を占うとともに、進化のカギを専門家に分析してもらった。

 錦織にとって昨季は踏んだり蹴ったりのシーズンだった。2019年10月に手術した右ヒジのリハビリで出遅れると、復帰直前の8月に新型コロナウイルス感染、さらにシーズン終盤に右肩を痛めてしまった。だが、ピンチはチャンス。故障と向き合う中で、新たな自分を模索してきた。

 かねて錦織のプレーを見てきたテニス解説者・佐藤武文氏(49)は「もしかすると錦織選手はテニス界の“タイガーマスク”になれるかもしれない」と大きな期待を寄せる。いったい、どういうことか。

「まず、錦織選手には世界トップ選手たちも認めるバックハンドという武器がある。それでいてフォアも平均以上。ストレートもクロスも逆クロスもコントロールが良く、プレーに穴がない。そんな高い基本技術がある上で、今後はさらに戦術が多彩になり、見ている側がワクワクするテニスが完成するかもしれません」

 何が飛び出すか分からない――。そんな錦織の魅力を、佐藤氏は「関節技など格闘技の基礎が高い上に、四次元殺法を繰り出す初代タイガーマスク」になぞらえた。

 では、具体的にどんな戦術が増えるのか。相手の意表を突くドロップショットなどの小技はすでに錦織の持ち味だが、佐藤氏が掲げる新たな引き出しは「サーブ&ボレー」だという。「30歳を超え、もうフィジカルは無尽蔵ではない。サーブ&ボレーはプレー時間を短くし、効果的にポイントを取れるので肉体的なメリットもあるんです」

 これまでも取り組んだ時期はあった。特に17年シーズンは試合で多用していたものの、佐藤氏は「確実な武器にはならなかった」と振り返る。

 しかし、錦織は「新しい声を取り入れ、もうワンステップ上に行きたい」という決意のもと、昨季から男子ダブルス元世界1位のマックス・ミルヌイ氏(43)を新コーチに迎え入れた。ジュニア時代、背の小ささを「サーブ&ボレー」で補って活躍した同コーチの教えは、小柄ながら大男に立ち向かう錦織にピッタリだろう。佐藤氏は「サーブ&ボレーの完成が錦織選手の最後のピースになる」と予言する。

 昨年末に結婚を公表し、私生活でも「伴侶」という武器が加わった。多難な昨年から一変し、フルスペックになった“ニュー・ケイ”はどんな驚きを与えてくれるのか。

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