〝大相撲コロナ警察〟に気をつけろ! 「泥酔親方写真」拡散に角界厳戒モード

2020年07月29日 06時15分

〝泥酔写真〟で厳重注意を受けた田子ノ浦親方

 伝統の国技はどうなるのか…。大相撲7月場所(東京・両国国技館)で勃発した田子ノ浦親方(44=元幕内隆の鶴)の「泥酔写真騒動」が、さらなる波紋を呼んでいる。新型コロナウイルス禍で不要不急の外出自粛が通達される中、田子ノ浦親方が飲食店で泥酔している写真がネット上に掲載され、日本相撲協会から厳重注意を受けた。その一方で、今回の騒動はネット上で写真が拡散されたことが発端となった経緯から、角界内は〝自粛警察〟の存在に戦々恐々だ。

 日本相撲協会の芝田山広報部長(57=元横綱大乃国)は田子ノ浦親方が飲食店で泥酔した写真がネット上に掲載された問題について「食事する所で接待を伴うような場所ではないが、泥酔はまずい。(外出自粛の中で)弟子を抱える師匠が泥酔状態で写真を撮られ、ネットに載せられてしまうのは不適切なこと。自覚を持ってもらわないといけない」と苦言を呈した。

 鏡山危機管理部長(62=元関脇多賀竜)は田子ノ浦親方を厳重注意する一方で、本人は泥酔した時期について「場所中かどうか分からない」とあいまいな説明をしているという。場所後に予定されている理事会で改めて議題に上り、懲戒処分の対象になる可能性もある。ただ、今回の田子ノ浦親方の一件は、別の意味で角界内に波紋を広げている。インターネットが持つ〝パワー〟を、まざまざと見せつけられる格好となったからだ。

 今回の騒動はネット上に掲載された写真が拡散されたことが発端となった。大相撲ファンを中心に「師匠失格」「自粛中に不謹慎」といった田子ノ浦親方への批判が噴出。最終的に相撲協会にも情報が届き、事情聴取に乗り出す事態となった。もちろん、今回の田子ノ浦親方の軽率な行動は批判の対象になっても仕方がないが、ネット上で写真が拡散して騒動になること自体は誰にでも起こり得ること。ある角界関係者は「コロナだけじゃなく、写真にも気をつけないといけない。どこで誰に撮られているか分からない」と表情を曇らせた。

 新型コロナの影響で無観客開催となった3月の春場所(大阪)以降は不要不急の外出自粛が続くが、部屋近隣の定食屋やファミレスなどに立ち寄ることは事実上〝黙認〟されてきた。今場所で騒動となった幕内阿炎(26=錣山)は接待を伴う「夜の店」だった点、田子ノ浦親方は師匠の立場で「泥酔」したことで相撲協会も看過できなくなった。ここまで極端な例ではないにしても、今後もネット上で「外出自粛違反」が次々と指摘されれば、協会サイドもさらなる締めつけに動かざるを得なくなる可能性があるのだ。

 芝田山親方は「9月(秋場所)も外出禁止となったら大変。協会上層部としても(外出を)許可してあげたいと思う」と親心をのぞかせつつも「若い者は焼き肉とか中華とか行きたいと思うけど、こういう行動をされてしまうと許可できなくなる。ガイドラインを作って感染予防をしている以上、世間はより厳しい目で見ているということを自覚してもらいたい」とクギを刺した。

 果たして第2、第3の阿炎や田子ノ浦親方が出現することはあるのか。もはや伝統の国技さえもネットの前では安閑としていられない。〝角界自粛警察〟の目がある限り、まだしばらくは協会員の気の抜けない日々が続くことになりそうだ。