過去最高の盛り上がりを見せた東京パラリンピックでは、金13個を含む51個のメダルを獲得した一方で、裏方たちもプロフェッショナルな技術を発揮していた。
日本選手団が着用する公式ウエアを製作したアシックス社はパラリンピアンに特化したウエアの開発に着手。選手からヒアリングを行い、パラアスリートに合わせたウエアを作り上げた。
かねて車いすを使用するパラアスリートからは「タイヤについた泥などで袖が汚れる」などの声が出ていた。そこで、アシックス社の広報担当者によると「操作時に手首とタイヤが当たり、汚れや破損につながる可能性があることから、手首の内側に強度の高い生地を配置することで、汚れが目立ちにくく、破損もしにくい形にした」と意見を反映。
さらに、パンツのポケットはファスナーが車いすの側板に当たると、ケガの可能性があることから「ファスナーを外し、座った姿勢でポケットをつかえるように位置を変更した」と細かな配慮を施した。
機能性はもちろん、見た目にもこだわった。「車いすに座った状態でよりスッキリとカッコよく、そしてアスリートとして強く見えるように」との思いから、股上を短くしてお尻回りにゆとりを持たせた上で、履き口に前後差をつけるように改良。「座ったときの前側のダボつきを軽減させたことで、背面は通常より高いことから前かがみなどの動作で肌やインナーの露出が軽減された」と効果を口にした。
多くのパラアスリートが表彰台に上がった東京パラリンピック。一段と輝く雄姿の裏には、アシックス社のさりげない演出が隠されていた。












