韓国のオリンピック委員会を兼ねる大韓体育会は、選手村の食事で福島県産の食材が使われることを懸念し、同国選手向けの給食センターを設置して日本国内で波紋が広がっている中、同村内への食材持ち込みを禁止されていた。

 韓国選手団のシン・チヨン選手村長は同国ラジオ局「YTN」の番組で「東京五輪出場する韓国代表選手たちが、福島産と疑われるものを可能な限り避けられるようにしようとしたが、結局、選手村が提供する料理を食べることになってしまった」と残念がった。さらに「選手たちが東京の選手村で生活する際、われわれが準備した食事を食べることができず、(福島産と)疑われるものを避けると栄養状態に問題が生じる可能性がある」と力説したが、福島県産食材の安全性に問題はない。

 同県の内堀雅雄知事は19日の会見で「科学的データなどの事実をきちんと把握していない。誤解と偏見をなくし、正しい情報を認識してもらうことが風評払拭の本質だ」と韓国選手団側の姿勢を批判。しかし韓国では福島周辺の食材への拒否反応が強く、いまだに福島など8県の水産物の輸入を禁じ続けている。