東京五輪の選手村で福島県産の食材が提供されることに対して、韓国で反発の声が高まっている。

 大会期間中に選手村の食堂では全国各地からの食材が使用され、産地も明示する試みが決まっている。もちろん福島県産の食材も含まれ、政府は福島第一原発事故の影響による風評被害を払しょくしようと躍起だ。

 しかし福島県産を含む日本産食品の輸入規制を続けている韓国では、放射能に対する不安が声高に叫ばれており、開幕を前に反対ムードが広まっている。

 韓国紙「経常日報」は、ジョン・ヨンヒェ蔚山科学大学食品栄養学科教授の見解を掲載。そこで驚くべき大暴論が飛び出した。「日本は先月、福島原発の放射性〝汚染水〟の放流を決定した。さらに懸念されるのは、日本の飲食業界では福島の農産物を使用している点だ。すでに日本は列島のほとんどが食べ物を安心して食べることができる場所ではないのに、これを改善しようとする動きがほとんどない」。東日本大震災の影響がない地域も含めて、日本産の食材や日本で食事すること自体が危険だと何の根拠もない主張を展開したのだ。

 同教授の暴論はさらに続く。「日本は福島の農水産物の影響力を全世界に拡大させている。日本を訪問した他国の国賓を福島産の食品でもてなしている。また我が国では、福島の水産物が他国産と偽装されて輸入、摘発された事例もあった」と福島を猛批判。そして「東京五輪の選手村で福島産農産物を使用するという発表がされて議論を呼んでおり、日本の誤った決定を撤回するように、他国と緊密に協力するよう最善を尽くしてほしい。今回の事態の最大の被害者は、将来の私たちの子供たちだ」と韓国政府に要求した。

 日本を放射能に汚染された国として徹底的に批判を続ける韓国。東京五輪を前に両国の緊張感が高まっている。