【病院通いになる前に健康寿命をのばす! プレメディカルケア】

 延べ5万人の体の悩みを聞き、メンテナンスを行ってきた新進気鋭のスポーツトレーナー・永井正彦氏による健康アドバイス。実際の事例をもとに解説します。

【お悩み】家族間で協力し合えるストレッチはありますか?(50代男性)

【アドバイス】お互いを踏み合うストレッチがあります。

【解説】高校2年の息子さんと奥さんと3人暮らしの50代男性は「息子と最近、うまくコミュニケーションが取れない」と嘆かれていました。

 聞けば3か月前、サッカーの試合中に腰を痛めてしまった息子さんは、整形外科でヘルニアだからサッカーはやめた方がいいと言われて以来、ふさぎ込む日々が続いているそう。休部してからは両足を伸ばして座ることができないほど、体も硬くなってしまっているので、息子さんが精神的にも前向きになれる、できれば家族で協力し合えるストレッチがあれば教えてほしいと相談されました。

 息子さんの体を見せてもらうと、背中が一枚岩のようにガチガチに固まっている状態でした。とにかく背中全体をやわらかくする必要があったので、1日1回5分程度、お母さんに背中を足で踏んでもらうことを提案しました。

 踏むと聞いて息子さんはキョトンとした顔をされていたのですが、決して踏みつけるわけではありません。

 足踏みストレッチは、固まっている背中に均等に圧をかけ、血流を良くすることが目的なので、踏む人は踏まれる人より体重が軽い人がベストです。

 なのでまずは1週間、ヘルニア患部と背骨の上だけは避け、壁に手を添えながらでもいいので、お母さんにやさしく踏んでもらうこと。踏んでもらう時は、圧を吸収してくれる薄めのマットを体の下に敷くことを伝えました。

 2週間後「腰の痛みが嘘のように消えました!」と背中がやわらかくなった息子さんは、サッカー部にも無事復帰されました。

 足踏みストレッチはむくみも取れるので、ご年配の方だったらお孫さんに腰や足裏を踏んでもらえばスキンシップにもなります。お孫さんもきっと喜んでやってくれるでしょう。

 ◆永井正彦(ながい・まさひこ)1980年6月28日、東京都生まれ。スポーツトレーナー。2005年に都内でスポーツ整体「プレメディカルケア」を開業。パラ水泳の宮崎哲選手や津川拓也選手のパーソナルトレーナーも務めている。