グーグルが提供する地図サービス「グーグルマップ」上で、皇居の敷地内に実在しない宗教法人「恒心教 総本山」や、お笑いコンビ「オードリー」春日俊彰(36)の家として「オードリー春日トゥース」などとデタラメな名称が書き込まれている騒動が収束しない。

 ほかにも、皇居の池を「ゆぱー!」というレストランとして表示したり、警視庁や出雲大社を「サティアン」、広島の原爆ドームを「核実験場」などなど。グーグルはいたずらと判断し順次、削除しているが、悪質な改ざんが続く。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「そもそも、グーグルマップに個人が建物名や店名を書き込める機能があることを知る人は少なかったはず。それを知っていた人物が不特定多数にスパムメールを送り、地図を改ざんするよう誘導した愉快犯と考えられる」とみる。

 つまりハッキングなどによる単独犯でなく、スパムメールを受け取った複数の人が、知らず知らずのうちか、もしくは悪ふざけで改ざんしてしまった可能性が高いという。

「グーグルクラスの企業は、何万とサーバーがあるのでそう簡単にハッキングできません。2ちゃんねる上のスラングと化している実在しない宗教法人が書き込まれていることなどから、いたずらの可能性が高い。実際に2ちゃんねるの実況スレッドなどで、半信半疑で書き込んだら本当に地図が改ざんされてしまったという報告があるようです」(同)

 犯人は特定できるか。

「グーグルのサーバーに書き込んだ記録は残っているので簡単に足はつくと思います。グーグルが訴えれば業務妨害には問えるでしょう」(同)

 警視庁公安部も捜査に乗り出しているという。「サイバーテロのテストだった可能性などを考慮しての捜査でしょう。たとえば、スパムメールを送って何割の人が開封して実際に地図を改ざんしたかなどを調査した可能性がある。不特定多数を使っていたずらした愉快犯の存在は意識しているでしょう」と指摘している。