タイの保健当局はさる2日、北部チェンマイに住む日本人男性2人の新型コロナウイルス感染を発表した。2人は昨年末、中部シーラチャーで、連日夜遊びに興じ、“夜の濃厚接触”で感染した可能性が高いのだ。

 渦中の59歳と64歳の2人組は先月28日、飛行機でチェンマイから首都バンコクへ飛び、スワンナプーム空港からタクシーでシーラチャーへ直行。そして連日連夜、日本食レストラン、マッサージ、カラオケ、スナックをハシゴしていた。チェンマイへ戻り、同僚に勧められPCR検査を受け、陽性と判明した。

 バンコクから南東に車で2時間ほどのシーラチャー周辺は、日系の製造業が多数操業していて、日本人コミュニティーが充実している。レジャーはゴルフと釣りぐらいしかないため、日本人向けの“接待を伴う飲食店”は目立って多い。

「スナックやカラオケと称した小規模な業態が中心。日本で言うキャバクラやガールズバーのような感じ。大半の店で“お持ち帰り”が可能で、他にもエッチなマッサージ店などもある」(現地駐在員)

 2人が入った店の名前も情報開示されたため、「あのスナックは行きつけだ」「そのカラオケの女の子は俺もお気に入りだ」という駐在員が次々と病院へ押しかけ、検査の列ができたという。

「日本人は風俗好き、AV大国というタイでのイメージを助長させてしまう。本当に恥ずかしい」とは、バンコクに住む駐在員妻。また現地採用の日本人社員は「コロナ禍でも夜遊びがしたいのかとあきれる。俺は我慢してるのに」と憤る。

 保健当局は、この夜遊び国内旅行中の2人と接触したのは126人で、うち濃厚接触者は26人とみている。

 日本同様タイでも、昨年末から感染が拡大していて、バンコクとシーラチャーのあるチョンブリー県を含む28都県で歓楽街の営業禁止、学校の閉鎖、飲食店の営業制限が4日からスタート。翌5日には、昨年から発出されている非常事態宣言の延長が決まった。2人はそんな行動制限が始まるのを見越して、年末ハメを外したのだろうか。