東京発着の「Go To トラベル」や地域共通クーポンが今月から開始され、全国の観光地の客足が戻りつつある中、展示会イベントも徐々に息を吹き返し始めた。

 先月末、千葉・幕張メッセでドローンの展示会「Japan Drone 2020」が開催された。入場時は検温や消毒が実施され、セミナー会場も仕切りはなし。座るイスも一つおきで、席を立つたびに係員が消毒するほどの入念さだったが、場内は商談や展示物に見入る人など、かつての光景を取り戻した。コロナ禍の前は、展示会イベントに東京五輪が立ちはだかった。首都圏の“2大イベント会場”も、東京ビッグサイトは五輪の国際放送センターやメインプレスセンター、幕張メッセはレスリング、テコンドー等の会場になるために使用できず、イベントの縮小、中止が余儀なくされていた。

 五輪が来年に延期され、会場は使えるようになったが、今度はコロナ禍でほとんどのイベントが中止に。希望の光が差し込んだのが、7月末に開催されたヘリテージカー(旧車)が集う「オートモビルカウンシル」や、9月の新日本プロレスの興行などがクラスターを発生させずに終えたことだ。

 政府は先月19日からイベントの人数制限を緩和し、開催を悩む主催者側のハードルも下がった。幕張メッセでは、今月28~30日に日本最大のIT展示会「Japan IT Week」が開催予定。これは緊急事態宣言以降、初となる全館利用規模でのイベントとなる。またカスタム車が集結する「東京オートサロン」も来年1月15~17日の開催を決定。イベントを盛り上げるイメージガールも5日に発表され、カメコも歓喜している。日本展示会協会は「新型コロナで収容人数の制限があるので、一昔前の展示会と比べるとずいぶん静かな印象があるかもしれないが、業界としてはやっと展示会を再開できる状況になって、元気が出てきている」。今月下旬以降には「Go To イベント」も始まる見込み。ようやくかつてのにぎやかさが戻ってきそうだ。