中国・湖北省武漢市から世界中に広がった新型コロナウイルスは、各国の経済に大打撃を与えている。新型コロナは、野生動物やそれを食肉として売っていた同市の市場から広まったという説も根強い。

 そんな中、湖南省長沙市内の市場では、早くも犬肉などの販売が始まっている。どこからか運び込まれた犬を大型の包丁を使ってさばいている人や、それを買いに来た人もいる。マスクをつけている人はいない。

 湖南省在住の男性は「武漢であれだけのことがあったというのに、もう犬肉なんかを売っています。生きたまま持って来ているのですけど、出元は不明です。『カネになればいい』って感じなんです」と明かす。

 驚くべきことは、犬をさばいている人は素手でやっているという。この犬は、食用の赤犬という種類のもので、野良犬ではないと思われるが、慎重にさばく必要があるだろう。

 数多くの日本人ビジネスマンも滞在している深セン市は、5月1日から食用での犬と猫の販売・消費を全面的に禁止。新型コロナの感染源が野生動物であった可能性が指摘されていることによる措置だ。深セン市の対応は、時代を先読みしたものと考えられており、同市内ではおおむね受け入れられている。

 しかし、前出の男性はこう語る。

「中国では大昔から犬は食用にされているんです。鍋にするとおいしいんですよ。みんな今まで犬肉を食べるのを我慢していたので、どうしても食べたかったんでしょう。久々に再開されたということで大勢の人たちが買い物に来て、にぎわっています。もう少したったら野生の猫やネズミなんかも持ち込まれると思いますよ」

 これから数週間もすれば、さまざまな野生動物の売買が再開されるかもしれない。