【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】タイ保健省は1日、新型コロナウイルスに感染し肺炎を発症していた男性(35)の死亡を発表した。4日現在、感染者が43人確認されているタイでは初の死者だ。

「男性はタイで一番の免税店『キングパワー』の関連会社社員。超高級ブランドを中心に幅広い品を扱い、レストランやタイ伝統の人形劇ショーもやり、ホテルも併設する大型店。中国人観光客に大人気だが、日本のガイドブックにも載っているから、日本人女性の姿もよく見る」とは首都バンコク在住駐在員。

 スワンナプーム空港をはじめ、タイ各地に支店があるが、男性が出入りしていたのはバンコク南東のシーワーリー店で、現在は閉鎖されている。

 1日にはスワンナプーム空港から入国した日本人女性(21)がスクリーニング検査で37・1度の発熱が判明し“コロナ疑い”で病院搬送された。

 先月26日には、北海道旅行から帰国したタイ人夫婦のコロナ感染が発覚。2人は同20日まで北海道を訪れ、帰国後に体調を崩し入院していた。タイ人に大人気の旅行先・北海道での感染に現地では日本への渡航自粛の動きが出ている。

 ネットでは意外な反応も。「タイのメディアでも北海道知事の映像がよく流れ、イケメンだと話題になっている」(駐在員)。その鈴木直道知事(38)は確かにジャニーズ系の顔立ち。国に先駆け緊急事態を宣言し、コロナと闘う史上最年少知事という肩書で、中国や台湾でもイケメンぶりが話題になっている。特にタイ人女子たちの食いつきようはすごい。

 SNSでファンページが作られ「イケメンで頼もしいなんてすてき」「マスク姿だともっとセクシー」「タイの政治家と交換して」などのコメントが殺到。ツイッターでは知事の経歴が詳しく紹介され、知事の最新写真が続々とアップされ、コロナそっちのけで盛り上がっている。

「クッキリした顔立ちと濃い眉、それに甘い口元は完全にタイ人女性の好み。かつて『イケメン首相』ともてはやされたタイのアピシット元首相に雰囲気が似ている」と駐在員も納得だ。

 タイ人の雪や寒さへの憧れは日本人の想像を超える。クリスマスから正月シーズンに街中の装飾で“雪”が積もっていると、ニセモノの雪にもかかわらず、子供も大人もはしゃぎまくる。日本の旅行先でも冬の北海道は特に人気で、一昨年あたりからタイからの来道者数は急増している。今回の夫婦の感染源と目されるのは「さっぽろ雪まつり」だが、毎年恒例の雪像コンクールでもタイ人は上位入賞の常連で、今年は優勝している。

「コロナが収まったら早く北海道に行って鈴木知事に会いたい」というタイ人女子の願いはいつかなうのか。(室橋裕和)

☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「バンコクドリーム『Gダイアリー』編集部青春記」(イースト・プレス)。