爆買いの次は、“爆捕り”――。埼玉県川口市や蕨市の公園で、深夜に何者かがセミの幼虫を大量に捕獲し、市民から苦情が相次いでいる。セミの幼虫を“爆捕り”しているのは、どうやら中国人のようで…。

 川口市は食用を目的としたセミの幼虫の捕獲をやめるように促す立て看板を「青木町公園総合運動場」内に設置している。この看板は日本語の他、中国語、英語で書かれており、外国人にも呼びかけている。

 公園にいた日本人男性は「先月の夜、この公園に来た時に、懐中電灯を照らして土の中に棒を突っ込んでいる人が複数いた。不気味でした」と振り返る。看板に中国語が書かれているように、疑いは中国人にもかけられている様子。川口市によれば、苦情の中には「幼虫をペットボトルいっぱいに入れていた」という目撃情報も寄せられたという。

 セミの幼虫を大量に捕獲して、どうするのか。

 中国食材店の女性店員は「中国では、セミの幼虫をカラッと揚げてお酒のつまみとして食べるんです」と明かした。中国の屋台ではセミの幼虫だけではなく、ヒトデ、サソリ、タツノオトシゴなどの串揚げが平然と売られている。昆虫食が栄養満点と話題になったこともあるが、グロテスクなセミの幼虫は、食習慣のない日本人にとっては、なかなか手が出ないところだ。

 セミの幼虫は長い間、土の中で生活することで知られるが、一体どうやって捕るのか。

 専門家は「幼虫は夜中に土の中から出てくるので、大きな木の下を懐中電灯で照らしながら探せば捕れる」と言う。

 セミはどこにでもいるが、なぜ埼玉県内の公園が狙われているのか。

 川口市の同公園はJR西川口駅の東口から徒歩12分のところにある。かつて風俗街だった西川口は、取り締まりの強化で違法風俗店は一掃。テナントの跡地には中国料理店や食材店、中国人向けのネットカフェ、カラオケ店などが入った。この数年で中国人が大挙流入して、西川口はすっかりチャイナタウンと化していたのだ。

 セミの幼虫捕獲を禁じる看板は、隣のJR蕨駅近くの「蕨市民公園」にも設置されている。この周辺には、中国人が多く住む巨大な公営団地の「芝園団地」があることで有名だ。

 移り住んできた中国人によって、その街の環境などに問題が生じた事案は過去にもある。

 千葉県市川市の「江戸川放水路」ではカキが生息しており、数年前から大潮に合わせてカキを採りに来る中国人が増加。約100人のグループでカキをあさり、殻を河川敷に捨てていくのだ。

 子供が大量のカキの殻に足を取られ、ケガを負って救急車で搬送される事例が相次いだ。昨年12月、初めて地元の環境保全団体がカキ殻の回収作業にあたり、その量は約100トンにも及んだ。

 カキに続き、中国人のターゲットになったとみられるセミの幼虫。現時点では「深夜に気味が悪い」と直接的な実害はないものの、食用として捕る場合は問題になりそうだ。