アジアチャンピオンズリーグ(ACL)における中国勢の存在感低下が加速している。

 タイ、マレーシア、ベトナムで集中開催されたACL東地区の1次リーグが1日に終了。中国勢は、新型コロナウイルス禍の渡航制限などの影響で上海海港と長春が出場を辞退し、参加した広州FC、山東も主力を派遣せず、若手中心の〝二軍〟で臨んだ。そのため、広州FCは1次リーグ同組の川崎に0―8で敗れるなど大敗が目立ち、当然のように両チームは1次リーグで敗退した。

 この惨敗は今回だけの問題ではなく、今後に〝ツケ〟を払わなければならない。この結果を受けて、中国メディア「新浪体育」は、中国の2022年終了時点のアジアサッカー連盟(AFC)クラブランキングが15位(東アジア7位)まで落ちると報じた。同ランクは、最近4年間のACLなどの結果をもとに決められ、2018年のポイントが失効するからだ。

 そのため来年のACLまでは、1次リーグ直行2チームと本戦出場をかけたプレーオフから参戦2チームは確保できるものの、2024年からは、ランク低下により1次リーグ直行1チームしか割り当てられなくなるという。2013、15年に広州恒大(現・広州FC)が優勝するなど、日韓両クラブとACL東地区の覇権を争ってきた中国勢だが、もう過去の話になりかねない。

 代わって躍進しているのが東南アジア勢。I組のジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)は、地元開催の利もあったが、J1王者・川崎と2020年ACL覇者の蔚山(韓国)を押しのけて1次リーグを突破した。タイで行われたG組も同国のBGパトゥムが1位通過。今後はさらにACLの勢力図が変わっていくかもしれない。