ベルギー1部サンジロワーズの東京五輪代表MF三笘薫(24)のA代表入りは、またも実現しなかった。かねてA代表の「エース候補」と言われ、東京五輪後にも森保ジャパン入りが確実視されていたが、今回も招集は見送られた。

 その理由について、元日本代表FW武田修宏氏は「海外勢との対戦にまだ慣れていないからだと思うよ。欧州の激しいプレッシャーを受けながらJリーグでやっていたようなドリブルができるか。日本ではできても海外に行くと同じようにプレーできない選手もいるからね。(森保監督も)そこを見極めているんじゃないか」と指摘した。

 その一方、Jクラブ幹部は「まだクラブでスタメンに定着できていないからでは? それに日本代表の左サイドはたくさん良い選手いるからじゃないか」と指摘。クラブでの定位置獲得と、三笘が得意とする左サイドのポジションには古橋亨梧(セルティック)や原口元気(ウニオン・ベルリン)、南野拓実(リバプール)ら実力者がひしめいていることも一因と説明した。

 さらに「しばらくはW杯予選が続くし、そこに初代表となる選手を呼ぶのは難しいっていうのもあるかもね。森保監督も気を使って慎重になっているのでは」と、来年3月まで続くカタールW杯アジア最終予選が終わるまで招集されないとの見通しを示した。その上で「このままだと来季に(イングランド)プレミアリーグでプレーするのは難しくなるだろうね」という。

 同リーグでプレーするために必要な英国の労働許可証の発給はA代表での出場実績(各国でランク分け)が条件。三笘は今夏に同リーグのブライトンと契約しながらも許可証を取得できないため、サンジロワーズへ1年間のレンタル移籍となった。このまま森保ジャパン入りできなければ、来季から世界最高峰リーグでプレーすることは絶望的だろう。

 もちろん「みんなが期待している」という日本代表入りを三笘が実現するにはベルギーで大活躍を見せるしかない。現時点でリーグ戦ではベンチスタートが続いている中、一刻も早い〝本領発揮〟が期待されている。