年末恒例の闘魂インタビュー、ダーッ!! 〝燃える闘魂〟アントニオ猪木氏(78)がオンラインで特別インタビューに応じ、激動の2021年を振り返るとともに、来年に向けてファンにメッセージを送った。2018年に全身の血液循環が悪くなる難病「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」を発症。今年はその難病と闘う姿を包み隠さず公開し、多くのプロレスファンに勇気を与えた。不屈の燃える闘魂が語った今年1年を締めくくる言葉とは――。


 猪木氏(以下猪木)元気ですかー!

 ――ありがとうございます! 現在の体調はいかがですか

 猪木 それ、よく聞かれるんだけど「元気です」っていうしか、ないじゃない(苦笑い)。「調子悪いです」とは(言わない)。最近ちょっと寝つけない時がありますね。

 ――というと

 猪木 誰でもあることだけど、寝ようと思えば思うほど、逆に眠れなかったりするんですよね。スケジュールが重なる時は重なるので、その前にしっかり寝ておこうと思うんだけど。

 ――なるほど

 猪木 でも、電話でいろんな人と話したりしてますよ。ありがたいことに「あれが食べたい」「これが食べたい」と言うと、山ほど送られてきますしね。

 ――今年はユーチューブやテレビで闘病する姿を公開してファンに元気を与える1年だった

 猪木 入院の繰り返しだったですね…。今、こうしてここにいるのも自分なりに不思議なくらいの状況に追い詰められたりもしたんで。(食事は)塩分が取れないんですよ。むくんでしまうから。本当に(摂取できる量が)ひと握りもない。でも周りが気をつけてやってくれて、おいしくいただいていますよ。外にあまり出られないから熱いとか寒いとかはなかった。まあ…つまり今年1年、いい年でした(笑顔)。

 ――ファンにメッセージをいただけますか

 猪木 今年もコロナに振り回されてね。来年はある意味、いろんなものが転換する時だと思います。発想の転換だね。そういえば、最近テレビを見ていたらラーメンの番組をやっていて…。

 ――ラ、ラーメンですか

 猪木 ラーメンにもいろんな種類があって、おいしそうなのもあれば「これはいいんじゃないの?」って思ってしまうようなものもある。

 ――われわれも、ラーメン業界のように発想を転換して新たなジャンルを開発していくべきだと!

 猪木 ダーッハッハ! そういうふうに発想を転換して、人生の生き方に幅を持たせることがこれからは大切になるんじゃないか。

 ――最後に、来年はどんな1年にしたいですか

 猪木 自分の健康と、うまく付き合っていくしかない。あとはアミロイドの研究。この歴史が浅いのでね。

 ――猪木さんが闘っている病気「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」の研究がさらに進むことを願っています

 猪木 あとは「猪木さんが(自身の病気を)言ってくれたおかげで元気になりました」と言ってくれる人がいるのでね。こんな状態で、みんなに元気を送っていいのかなとも思う時があるけど。でも、こうやって受け止めてくれる人がいるのは非常にありがたいです。

【猪木氏の闘病経緯】猪木氏は2018年に「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」を発症。これまで「心アミロイドーシス」とされてきたが、今年11月27日にNHK・BSプレミアムで放送されたドキュメンタリー番組で初めて正式な病名が公表された。

 同番組内では昨年12月28日に療養中の青森で腰に痛みを発して敗血症で緊急搬送されてから闘病を続けており、それから入退院を繰り返していることも明らかに。闘病中は自身の公式ユーチューブチャンネル「最後の闘魂」でその姿を公開し大きな話題になるとともにファンに勇気を与えた。猪木氏は現在もユーチューブチャンネルで積極的な発信を続けており、〝食リポ〟シリーズが好評だ。