【AI時代の歩き方】令和の婚活すでに導入〝世話焼きAIおばさん〟の高い成婚率

2021年12月19日 10時00分

結婚をしたい男女にとって救世主になりつつある(写真はイメージ)
結婚をしたい男女にとって救世主になりつつある(写真はイメージ)

 相手に求める条件を設定、検索し、気になる人を探す…良い人が見つからなければ条件を変えて再検索…そんな婚活はもう古いかもしれません。ご存じの人も多いかもしれませんが、最近はAIが使われることが多くなり、私たちのパートナー探しにも一役買っているのです。

【どんな特徴がある?】
 AI婚活はその名の通りAIの力を使って婚活を行うものです。最近では自治体が提供する婚活サイトでも導入されるなど、ますます広がりを見せています。特徴は導入されているAIによって異なるため一概には言えませんが、一般的にAIを使うことのメリットとしては次のようなことが挙げられるでしょう。

 まず、婚活で当たり前に行われる「自分が思う理想の条件」によらない相手探しができるところ。通常の婚活の場合、自分の趣味がランニングであれば同じくランニングが趣味の人と出会いたいと思い、検索条件の趣味欄に「ランニング」と入力して候補を検索するでしょう。一般的な検索システムであれば、当然趣味に「ランニング」が登録されている人を検索結果として表示します。一方、AI婚活では単に趣味がランニングの人だけを探すわけではありません。趣味以外にも登録されている多くの情報、例えば身長、職業、嗜好、性格といった膨大なデータを用いて本当に合う人を候補として探すことができます。「あなたに合う人」の判断は、これまでに成婚に至った人たちの情報に基づいて行われます。どんな人同士であれば成婚に至りやすいのかをデータから割り出すのです。膨大なデータに基づいた提案こそ、AI婚活の真骨頂と言えるでしょう。

【高い成婚率のわけ】
 AI婚活は通常の婚活に比べて成婚率が高いと言われていますが、なぜ成婚率が高くなるのでしょうか。成婚率が高い理由として3つの特徴が考えられます。

 まず1つ目は「AIには思い込みがない」という点です。私たちがパートナーを探す時、こういう人が良いと思う一方で、こういう人は外そうと一部の候補は最初から排除してしまいます。もしかすると自分にすごく合っているかもしれないけれども、自分に合う人はこういう人ではないと思い、除外してしまうのです。

 しかしAIはあくまでデータに基づいて判断します。合うか合わないかという点は、これまでに蓄積した膨大なデータからはじき出すものであり、その結論以外の条件で最初から除外するということはありません。人間はこうであるはずと一度思い込んでしまうとなかなかその考えを打ち破ることができず、婚活においてはこれが良い結果を妨げることもありますから、AIの思い込みのなさはメリットだと言えるでしょう。

 2つ目は「膨大な情報を扱える」という点です。当然、人が扱える情報には限りがあります。好みが似ているかどうかを判断するのに、人であれば趣味や性格といった数個の情報を扱うので精一杯ですが、AIは与えられたすべての情報を判断材料として活用することができます。多くの情報を用いて多角的に判断することが成婚率の高さに貢献していると考えられます。

【こんなメリットも】
 最後に挙げるのはAIの技術的な要素ではなく、「AIに後押しされる」という心理的な効果です。

 かつて結婚を後押しするのは世話焼きおばさんでした。AI婚活において結婚を後押しするものは、大量のデータに基づいてパートナーを推薦してくれたAI自身です。AIが薦める人がどんな人なのか気になるから会ってみよう、という気持ちにもなりやすいかもしれませんし、AIであればお断りをした際にもお小言を言われることもありません。そう考えるとAIは実は世話焼きおばさんにぴったりの存在なのかもしれませんね。
【まとめと未来】

 自分自身で候補を見つけようと、AIが候補を見つけてこようと、いずれにせよパートナーを決めるのは自分自身です。これまで通り相手を探すことに加えてAIを活用することでより多くの、そしてより多様な人と会う機会を増やせるのであれば、AIを婚活に活用するデメリットは思い当たりません。

 現在はAI婚活という名前で婚活とは区別されていますが、AIを活用した婚活は今後私たちにとって当たり前になっていくのではないでしょうか。

 ☆おおにし・かなこ 愛媛県出身。2012年お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。博士(理学)。同年、NTTドコモ入社。16年から2年間、情報通信研究機構に出向。一貫して雑談対話システムの研究開発に従事。20年から大手IT企業でAIの導入や設計をリード。AIに関する講演や執筆、監修等も行う。著書に「いちばんやさしいAI<人工知能>超入門」「超実践!AI人材になる本」。

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