【人気モデル・岡田紗佳のもう一度見たいMリーグ】開幕して2週間、スタートダッシュを決めたチームは? プロ麻雀リーグ「Mリーグ」2020シーズンの“今”を、選手として出場中のモデル兼プロ雀士・岡田紗佳がリポート!

 KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。先週、3年目のMリーグで初の役が出ました。槍槓(チャンカン)です。他家が加槓した牌が自らの当たり牌だとアガれる…という1飜ですが役満よりもレアな役なので、そのシーンを振り返りたいと思います。

 まずラス目のたろう選手が發ポンから筒子のホンイツを目指して発進します。4筒がアンコ、9筒がトイツですが、まだターツが足りていない状態です。それでも積極的に4筒、9筒とポンしていって、4枚になった時点で手の内は346筒と北。すぐに北をもう1枚持ってきて雀頭になり、25筒待ちでテンパイしました。

 一方、親で3着目の茅森選手は、それほどの勝負手ではありませんでした。赤2枚を使った手牌に変化しましたが、赤5筒を使った、ポンされているカン4筒の部分が残ってしまっています。それでも9筒をポンされた直後、8筒も切っていきました。

 3副露されているので本来ならなかなか切れる牌ではないのですが、これをできたのは相手が高くて遠い仕掛けを多用するたろう選手だからですね。「どうせまた遠い仕掛けをやっているんでしょ」と、たろう選手の雀風を読み切ったのです。

 茅森選手はこの後、たろう選手が切った赤5萬をチーして、タンヤオ赤3、カン4筒待ちでテンパイします。ほとんどアガれないなあと思ってはいるが一応テンパイだけは取って、例えば6筒や2筒などを持ってきて手変わりを待っていたのだと思います。形はテンパイだけど気持ちは一向聴ですね。対するたろう選手はさらに北を持ってきてアンコになります。ツモ切って2・5筒待ちだと5200点のところ、3筒単騎に受けると發北ホンイツトイトイの跳満になります。5200点だと3着目にも届かないですが、ここで1万2000点以上をアガるとトップも見えること、さらに親の茅森選手は鳴いているためリーチが来ることはなく、捨て牌もほとんど字牌端牌と98筒のペンチャン落としだけでそれほどテンパイしているとも思えない。勝又選手、内川選手からは前に出ている雰囲気はありません。そしてたろう選手はMリーグでも屈指のカン好きです。

 条件は全て揃いました。満を持してカンしたところ、茅森選手からロンの声。槍槓タンヤオドラ3で満貫となりました。

 槍槓はそれこそあの九蓮宝燈と同じくらいレアな役と言えるかもしれません。珍しい役が出たことに、他チームながら私も興奮してしまいました。

 おかだ・さやか 1994年2月19日生まれ。東京都出身。モデルやグラビア、バラエティー番組などで活躍。漫画原作も手がける。日中ハーフで、6歳のころから麻雀に親しみ、2017年4月に日本プロ麻雀連盟所属女流プロ雀士となった。「KADOKAWAサクラナイツ」から指名を受け、昨シーズンからMリーグに参戦。青山学院大学出身。T170・B85・W58・H83。“役満ボディー”の異名を持つ。