今年のNHK紅白歌合戦のゲスト審査員として、東京五輪ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈(20=日体大)に白羽の矢が立っている。

 紅白と言えば、その年に活躍した著名人がゲスト審査員に選出されることが通例。特に五輪イヤーではメダルを獲得したアスリートが名を連ねてきた。リオ大会の2016年はレスリング4連覇の伊調馨さん、競泳金メダルの萩野公介、ロンドン大会の12年はレスリング3連覇の吉田沙保里、競泳でメダル3つの入江陵介、北京大会の08年はフェンシング界初のメダル(銀)を獲得した太田雄貴氏、ソフトボール金メダルの上野由岐子投手らが選出された。

 自国開催の今年は日本勢が金メダルを量産。複数のニュースターが誕生したが、中でも入江はひときわ異彩を放っていた。ボクシング日本女子初のメダルという金字塔に加え、試合中に礼儀正しく審判にお辞儀する姿は世界を衝撃を与えた。また、持ち前の明るい性格によって五輪後は各メディアに引っ張りダコ。ボクシング中継では的確で歯切れのいい解説で好評を博した。ボクシング関係者は「紅白の審査員になればボクシング界の普及につながる」と期待しており、テレビ関係者からもゲスト審査員〝五輪枠〟の大本命に押す声が出ている。

 今年の大みそかは恒例の日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ」の休止が決定。同番組の視聴者が「紅白」へ流れてくることも考えられ、コロナ禍の参拝自粛ムードなども勘案すると、紅白出演は全国に〝顔〟を売る絶好の機会となる。

 入江は今月上旬に発表された株式会社博報堂DYメディアパートナーズによる最新版の「アスリートイメージ評価調査」の「明るいアスリート」では堂々の1位。前回(東京五輪前)から大幅アップとなり、好感度は現役アスリートでトップクラスと言える。ゲスト審査員は五輪メダリストから複数人が選出される可能性が高く、テレビ関係者は「多様性と調和の観点からパラリンピアンも選ばれるでしょう」というが、入江の「本命」は揺るがなそうだ。