ボクシングの元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(54=米国)と、元世界4階級制覇王者のロイ・ジョーンズ・ジュニア(51=同)とのヘビー級8回戦は28日(日本時間29日)にカリフォルニア州ロサンゼルスで行われる。エキシビションマッチとはいえ、両雄の本気度は現役時代さながら。この一戦の内容と反響によっては、他の元ボクサーも復帰を熱望するかもしれない。

 タイソンは1985年3月のプロデビューから破竹の勢いでKOの山を築き、翌年11月にはWBCヘビー級王座を獲得。その後WBA、IBFを合わせた3団体のヘビー級統一王者となった。

 一方のジョーンズは88年のソウル五輪ライトミドル級決勝で「盗まれた金メダル」と呼ばれる判定負け。プロ転向後はミドルからヘビーの4階級で世界王座を獲得。ミドル級出身でヘビー級王者となった史上2人目のボクサーとなった。

 ピークがズレているため拳を交えることがなかった両雄は今回のファイトマネーが各1000万ドル(約10億5000万円)。ペイ・パー・ビュー(PPV)の売り上げに応じたボーナスを合わせると、それぞれ2000万ドル(約21億円)を稼ぐと見込まれている。

 今回が興行として成功した場合に〝次〟として名前が挙がるのがヘビー&クルーザー級の元統一世界王者イベンダー・ホリフィールド(58=米国)だ。96、97年にタイソンと対戦。2度目の試合はタイソンの「耳かみ事件」で有名だ。ホリフィールドは2戦合わせて100億円超を稼いだが、近年はジリ貧。昨年の純資産額は50万ドル(約5200万円)とも報じられた。今月に入ってからはタイソンに今後の対戦を要求しているが、その目的は高額なファイトマネーを得ることだ。

 3度目の対戦が待望されるかは、今週末の内容次第。老体や醜態をさらしたりするようなことなく〝次〟を望まれるファイトを見せてほしいものだ。