人気ジャニーズグループ「KAT―TUN」元メンバー・田中聖(36)が6月29日、地元・千葉の県警柏署に覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕された。同月20日に同法違反で懲役1年8月、執行猶予3年の判決を受けたばかりだった。3月に保釈された同容疑者にいったい何があったのか。追跡すると、活動再開に意欲的だった半面、閉塞感を漂わせていたという――。

 前回事件の舞台は名古屋。愛知県警中署に逮捕、勾留され、田中容疑者は起訴のタイミングで3月25日、保釈保証金300万円を納付し、保釈された。ツイッターとインスタグラムの更新は、2月24日の逮捕当日で止まったまま。自身のユーチューブチャンネルも、保釈翌々日に謝罪動画をアップしたきり、更新がない。だが、この3か月、活動再開に向けて意欲的だったようだ。

 俳優の高知東生は、田中容疑者が更生しようとしていたと指摘。30日にツイッターで「聖君は回復努力に一生懸命だった。俺達の仲間になってくれて、自助グループや12ステップにも取り組んでいた」と明かした。「12ステップ」とは、依存症から回復するためのガイドラインを指す。

 また、メッセージでやりとりをしていた元迷惑系ユーチューバーのへずまりゅうによると、田中容疑者は「裁判終わった後も活動は続けていきます。とりあえず執行猶予付きにはなったので、まずはユーチューブから少しずつ再開していこうと思います」と意気込んでいたと明かした。

「6月中に会った時にTikTokのコラボ撮影をお願いする予定でしたが、(田中容疑者の)スケジュールが合わずに7月上旬に変更されました」(へずま)

 音楽活動もあきらめていたわけではない。ところが…。

 地元のライブハウス関係者は、6月初めに2度、田中容疑者から「また音楽活動やりますから」と短い連絡を受けた。復帰の際は会場を使わせてくれという、遠回しのお願いだったようだ。

 長引くコロナ禍で、ライブハウスは今どこも厳しい。そんな状況下で、薬物に手を出すミュージシャンを出演させたら、経営へのさらなる影響も心配だ。〝アンチ・ドラッグ〟で、2月の事件に怒っていたライブハウスの関係者は、田中容疑者に「5年ぐらいクリーンだったら」と条件を出したという。

「すると彼は何も言わず、電話を切ってしまった。本来そういうこと(電話のガチャ切り)はしない人だから、おかしいと思った」と同関係者は振り返る。聞けば、地元で活動するミュージシャンは「『どうせまた逮捕されるだろ』とみんな言ってて、彼と距離を置く人がほとんどだった」という。

 29日午後5時半ごろ、柏駅西口近くを歩いていた田中容疑者は、パトカーで警ら中の警察官から目をそらしたり、近くの商業施設に入ったりして、職務質問を無視。これはおかしいと、警察は令状を取得し所持品検査を実施した。すると腰のズボンと体の間から、覚醒剤入りの袋(6×4センチのチャック付き)を発見。午後10時ごろ、西口ダブルデッキ上で現行犯逮捕となった。

 田中容疑者は4時間半も抵抗していた計算で、現場周辺は一時大騒ぎだったようだ。前出関係者によれば「田中君から『かくまってくれないか』と連絡を受けた人がいると、この辺の音楽関係者の間ではウワサになっている」という。

 地元の音楽仲間からも見放され、孤独・孤立を深めたことが〝スピード再犯〟に走らせたのか…。