あなたの話をお聞かせ下さい――。作家で僧侶の家田荘子氏が気になる人物に迫る「駆け込み寺」対談編。話すことで自身を見つめ直し、人生の学びを見いだす。今回のゲストはモデルでタレントのIVAN。20歳でパリコレに出演しトップモデルとなり、またトランスジェンダーであることを公表しバラエティ番組など多方面で活躍している。そんな彼女が尊敬する3人について語った――。

 家田 モデルになろうと思ったのは。

 IVAN 中学2年生の時に思い出作りに受けた沖縄アクターズスクール全国オーディションに受かって。その時の同期がmisonoちゃん、加藤ミリヤちゃん、黒木メイサちゃん、あと木下優樹菜ちゃん。でもモデルになろうと思ってなくて夢は保育士でした。

 家田 それがなぜ。

 IVAN 高校はアメリカに行って帰ってきて専門学校に入ろうと思ったらモデルにスカウトされました。トントン拍子でメンズノンノとか3か月くらいで雑誌制覇して、東京コレクションに1年目で出ました。その次の年にはメンズでお仕事をしてるのが苦痛だったので野球で言うメジャーリーグに早く行って引退しようみたいな気持ちでパリコレ行っちゃおうと。20歳ぐらいでパリコレに出ましたね。

 家田 性適合手術を受けたのは。

 IVAN 男性として仕事をすることが苦痛だったので1回芸能界をフェードアウトして4か月ぐらいホームレスになった。そこでホームレスの人に「ちゃんと働いた方がいい」と言われて性別適合手術も含めて本当になりたかった自分、女性として芸能界に戻ろうと。事務所に出会えて、決まったのが「有吉反省会」(日本テレビ)。一気に知ってもらえるきっかけになりましたね。

 家田 交友関係が広い。あの木村拓哉さんとも仲がいいと。どんな方。

 IVAN まんまです。プライベートから変わらずスター。20代前半の時にちょっと会っただけなので忘れられてると思ったら覚えてて下さった。記憶力もいいし英語で話しかけてくれたり気のいいお兄さん。ファッションの話をよくしてて「今度、服買いに行くから付き合ってよ」とか。

 家田 「UTAGE!」(TBS)で共演されていた中居正広さんは。

 IVAN 中居さんはお仕事には厳しいけどケアが素晴らしい方。本番中はプロとして噛んだりすると「あれリハーサル中?」とか言われて、ごめんなさい、余計噛んじゃう~みたいな(笑い)。クリスマスの時にみんなで収録終わりに打ち上げに行きました。中居さんご自身で選んで自分で買ったプレゼントを1人1人にプレゼントしてくれました。大好きなクロムハーツの大きいブランケットいただいて、なんで知ってたんだろうって。すごく気配りのできる方で他の局でお会いしても「おう!」って。中居ファミリーみたいになってて、同じく長くレギュラーで御一緒していた有吉(弘行)さんとは全然違った印象でしたね(笑い)。

 家田 あはは。有吉さんはどうなんですか。

 IVAN はっきり言ってました。「有吉ファミリーとかないから(笑い)」って。有吉反省会は私の中で一番長く続いたレギュラーで8年弱やったのかな。有吉さんって目が後ろにも付いてるんじゃないかってぐらいしっかり見てらっしゃる。振られてひと言で落とすことを教えてもらった番組。毎回振らないで、振らないでと思いながらやってました。ホームだったけど一番緊張しました。悲しいけど終わってちょっとホッとした気持ちもありました(笑い)。(対談の模様はユーチューブ家田荘子チャンネルで配信)

 ☆あいゔぁん 奈良県出身。中学2年生の時に第1回沖縄アクターズスクール全国オーディションに合格し、歌やダンスレッスンを受ける。高校卒業後にモデル活動を始め2004年にパリコレに出演しトップモデルとして活躍。13年に「有吉反省会」に出演しトランスジェンダーであることを公表した。