世界初のカップ麺「カップヌードル」(日清食品)が誕生してから、18日で50周年を迎えた。累計販売は500億食を突破。マンモスを追いかける原始人たちが行き来し、「ハングリー?」と問い掛ける1990年代のテレビCMは有名で、人々の空腹を満たし続けて約100か国まで販路を広げた。そのマンモスは、現在でもシベリアに生息しているという噂がある。それどころか、マンモスを復活させようという驚きのプランが実行されているという。

 1943年、2011年に撮影されたとされる映像が、ネット上に出回っている。ともにシベリアで撮影されたというが、確かにマンモスっぽい姿だ。

 そうしたなか、10年以内にマンモスを復活させ、北極圏に放ち、野生化させようというプロジェクトが発表された。

 複数の欧米メディアによると、起業家・投資家のベン・ラム氏と、ビジネスパートナーであるハーバード大のジョージ・チャーチ教授は先日、マンモス復活プロジェクトのために1500万ドル(約16億5000万円)を調達したと発表した。

 2人の会社「コロッサル」は遺伝子研究を専門としており、チャーチ氏はこれまで、人間の臓器を持つブタなどを生み出してきた。

 今回は、シベリアの永久凍土から掘り出した冷凍マンモスのDNAを抽出し解析。そして、アジアゾウの細胞をマンモスの長い毛と分厚い皮膚を持つように遺伝子操作した胚(多細胞生物の発生初期の個体)をつくり、胚をゾウの代理母や人工子宮によって育てて胎児にし、“マンモスゾウ”を出産させるという。

 チャーチ氏は「アジアゾウは暑い地域に生息しているが、マンモスはマイナス40度の世界で生きていた動物です。われわれは北極圏で生き残ることができるマンモスをつくり出すことが目標。耐寒性のゾウをつくることで、見た目も動作もマンモスのようになるでしょう」と語る。

 続けてラム氏は「私たちの目標はマンモスを復活させることだけではなく、北極圏に野生化した繁殖可能な群れを復活させることです。10年後までには、いや6年以内にマンモスの赤ちゃんをつくり出します」と話した。

 永久凍土から発掘されるマンモスは保存状態が良いため、ある程度のDNAを抽出することが可能だったが、クローンをつくれるほどのDNAの抽出はできなかったようだ。そのためマンモスそのものではなく、アジアゾウのDNAを改造した“マンモスゾウ”をつくることになったわけだ。

 UMAに詳しいオカルト評論家の山口敏太郎氏はこう語る。

「人々はなぜマンモスについて妄想するのでしょうか? それは近年、シベリアで氷漬けのマンモスが多数発見されていることに起因するのだと思います。DNAや血液がほぼ完璧な状態で保存された冷凍マンモスの発見は、『ひょっとしたらシベリアにはマンモスが生き残っているかもしれない』という妄想を刺激するのです」

 しかも恐竜と違って、マンモスは人類と共存していた時代がある。それだけに原始人が骨にたっぷりの肉が付いた“マンガ肉”を食べるシーンを再現したマンガやアニメは多々ある。

 山口氏は「マンモスは人類にとって郷愁を感じる存在なのかもしれません。また、ある意味、人類が滅亡に追い込んでしまったという負い目が、生存妄想を膨らませる理由ではないでしょうか」と指摘している。