昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公職選挙法違反(買収、事前運動)の罪に問われ公判中の元自民党で参院議員の河井案里被告(47)に対し、検察の特捜部が新たな疑惑で捜査に乗り出すという情報が永田町で飛び交っている。

 案里氏の公判は年内に結審し、年明けにも判決が言い渡される見通しだが、控訴や上告もできるため、まだ時間がかかる。

 一方で、公選法違反罪に問われた公設秘書、立道浩被告の上告は先月棄却され、検察側は連座制の適用を求める行政訴訟を起こす。

 そのさなかに特捜部が別件で捜査するというのが、広島県に本社を置く企業が、案里氏に「多額の違法献金をした」という疑惑だ。

「元大物政治家Aや元大臣Bらが関与しており、企業側に案里被告に違法献金するよう手配したという疑惑が持たれています」(永田町関係者)

 折しも特捜部は安倍晋三前首相の「桜を見る会」の前夜祭を巡って、安倍事務所が費用の一部を補てんしていた問題で、関係者を任意で聴取するなど、捜査を進めている最中だ。

「AやBはビッグネームでインパクトがある。さらに桜を見る会では安倍前首相周辺に捜査の手が伸びている。もし特捜部が2つの事案で捜査を進め、逮捕者が出るようなら政界にダブルショックとなるでしょうが、このコロナ禍の中でのスキャンダルで、政治不信も極まりそうです」(同関係者)

 果たして、年の瀬の永田町に衝撃が走るのか、それとも肩透かしで終わるのか…。