今年、報酬が目まぐるしく動いた人は、「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首だ。一時は年収1億円超えかと思われたが、一転して“ゼロ”に。これにはNHKも計算が狂ったようで…。

 立花氏は5月に大阪・堺市長選に出馬したことで、年収1100万円だった東京・葛飾区議を失職。約9000万円を借金して、参院選では41人を擁立し、自身が比例代表で当選して、N国党も国政政党となった。参院議員は月100万円の文書通信交通滞在費を含めて年間約3400万円が懐に入る。

 さらにユーチューバーでもあった立花氏は政見放送やマツコ・デラックスとの騒動で知名度を上げ、8月の広告収入は月1300万円近くにも跳ね上がった。

 ところが、10月になって“1億円プレーヤー”は突如終わりを告げる。

 公党代表による炎上商法が問題視されたのか、ユーチューブの広告が止まってしまったのだ。それでも破天荒な立花氏は議員辞職し、参院埼玉補選に再出馬という驚きの行動に出た。結果は落選で、収入の2本柱を失った。

 これに泡を食ったのはNHKだ。立花氏とNHKは複数の案件で係争中だが、4年前にNHKが勝訴した一件で、立花氏は130万円の賠償金支払いを命じられた。これを拒んでいた立花氏に、NHKは先月末、ユーチューブの広告収入が振り込まれる銀行の預金口座を差し押さえたのだ。しかし、もう立花氏に多額な振込金はない。結局、NHKは全額回収できずに一旦、差し押さえ請求を取り下げた。

「NHKは取りっぱぐれたワケだけど、なぜユーチューブのお金が支払われる僕のみずほ銀行の口座が狙い撃ちされたのか。NHKとみずほは、第一勧業銀行時代から密接な関係で、次期会長も同行出身。みずほに預けるのはどうなのかと思ってくる」(立花氏)

 ちなみに乱高下した自身の収入については「(議員時代は)タクシーを使う機会が多かったが、最近は常に電車。ユーチューブで過激なこともしなくていいし、おいしくご飯を食べられる。来年は静かに過ごしたい」。毒気がない立花氏はすっかり別人になっていた。