“加藤の乱”制圧・松本人志の剛腕 不満分子吸収で1強に拍車

2019年08月11日 11時00分

吉本に残留することを決めた加藤

 闇営業問題での対応をめぐり所属の吉本興業の上層部と対立し、「今の社長、会長の体制が続くのだったら、僕は吉本興業を辞める」と明言していた「極楽とんぼ」の加藤浩次(50)が9日、司会を務める情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)で、吉本残留を表明した(本紙既報)。“加藤の乱”とも言われた騒動は、途中からトーンダウンして、結局は元の状態に戻った格好だが、加藤を残留に導いたのは「ダウンタウン」松本人志(55)だった。残留の舞台裏で、いったいどんなパワーゲームが展開していたのか――。

 経営陣が退陣しなければ退社するとしていた加藤は9日の「スッキリ」で、残留を表明。その理由として、自身が提案した専属エージェント制の導入に、吉本が前向きな姿勢を見せたことなどを挙げた。

 騒動の最中、加藤の提案を耳にした松本から「これがOKならエージェントとして契約して会社に残る形をとるんだな」「俺は吉本の芸人、一人も辞めず、吉本を改革したい」「それはお前も入っているんやで」「芸人のチームだけは一枚岩になって、会社としっかり戦うという構造はできないか」などと説得されたことも明かした。

 この言葉の通りなら、加藤の吉本残留に大きな力を発揮したのは松本だ。大崎洋会長、岡本昭彦社長と近い関係にある松本は以前から「大御所芸人は別として、吉本の所属芸人ではトップに位置する存在」とみられていた。

 テレビ局関係者は「さらに今回、“加藤の乱”と言われるほど上層部を批判した加藤を吉本残留に導いたことで、松本の力はより強固なものになるのは間違いない。結果的に加藤も松本派に入った格好だからね。吉本の所属芸人では、もはや“松本1強体制”と言っても過言ではない」と指摘する。

 今回の騒動が起きる前から、吉本の芸人の中では松本派が最大派閥だったのは間違いない。そうした中で“最大の不満分子”とみられてきたのが加藤だ。本紙でも既報したが、その原因は加藤の相方である山本圭壱の吉本復帰までのプロセスにある。

 山本は2006年、10代の少女と飲酒及び性的暴行に及んだとして被害届を出され、吉本との契約を解除された。その後、加藤は山本の吉本復帰のために上層部に掛け合うなど尽力したが、復帰までは実に10年の歳月を要した。

 その交渉の過程で生まれた上層部への不信感が、今回の“加藤の乱”につながった、というわけだが、“最大の不満分子”である加藤が松本の軍門に下った意味は大きい。

「これまでも松本に逆らう芸人などいなかったが、加藤も松本派に入ったら、今後はますます強大な力を持つ。さらに言えば、松本と近い大崎会長、岡本社長に歯向かうこともできないだろう」(お笑い関係者)

 今回の騒動では加藤の動きに同調する芸人もいた。「何かあった時は北海道の人について行きます」とツイートした「平成ノブシコブシ」の吉村崇や、テレビ番組で「加藤の考えに近い?」と聞かれ「それはあります」と答えた友近、さらに「スッキリ」で加藤と共演する「ハリセンボン」近藤春菜などがいる。

「加藤が松本の軍門に下ったとなると、加藤に同調したメンバーも松本派に入ることになる。松本は『芸人のグループは一枚岩』と加藤に言ったが、そのグループのトップに松本がいるという図式だから」(同)

 世間を騒がせた“加藤の乱”は制圧されてしまい、“松本1強体制”を強化する結果になったようだ。