小室哲哉氏がプロデュースしたアイドルグループ「SKE48」チームSの新公演「愛を君に、愛を僕に」が好調だ。TKサウンドとアイドルのパフォーマンスとの融合が初日(5月28日)から話題を呼び、チームS公演の観覧応募数はそれまでの数倍にアップ。ネット配信の月額会員数も右肩上がりで、6月8日に発売された公演アルバムもオリコンデイリーランキング1位を獲得した。

 6月11日には公演の内容に満足出来なかった来場客に、チケット代4000円を全額返金するという「全額返金保証公演」が行われた。「中学3年で親元を離れた。センターに立つ私を、両親はまだ観ていない」「恋愛や部活だけが青春じゃない。私たちの青春がここにある」「進学しないことを選んだ。この道を正解にすると、決めた」といった刺激的なコピーの告知広告が名古屋駅、金山駅、栄駅、伏見駅など名古屋市内の主要駅に掲示されたこともあり、歴代1位(2015年8月31日に行われた松井玲奈卒業公演)には及ばなかったもののここ数年では最高倍率となるほど観覧応募が殺到。残念ながら返金希望者0とはならなかった(6人が返金希望)が、217人の観客の半数以上がSKE48劇場初観覧客で、新規ファンの開拓には大成功となった。

 全て新曲で構成されるオリジナル公演はSKE48では約11年ぶりでAKB48グループ全体でも6年ぶり。300人以上いる国内6つの48グループ現役メンバーの中で新公演のオリメン(オリジナルメンバー)経験者はAKB48・柏木由紀(31)ら数人しかいない。新公演のオリメンとなれば自分だけの公演ポジションや衣装が与えられるだけに、チームS副リーダーの上村亜柚香(18)は「11年ぶりのオリジナル公演をチームSメンバー19人でできることは本当に恵まれていると思います」と感謝している。

 新公演に向けての約2か月のレッスンでメンバー間の絆も深まった。荒野姫楓(20)が「毎日ずっと一緒にいて、いろいろな経験を共にしたことでメンバーみんなの関係がより深く強いものになりました。この勢いでチームSのターンを続けていきたい」と言えば上村も「後輩の子たちもみんな積極的に意見を言うようになったし、ダンスも歌も成長していて…。チームSはすごくいい状態になっています」と胸を張る。青海ひな乃(21)は「この公演をきっかけにして多くの人にチームS、そしてSKE48を知ってもらいたいです。私たちがSKE48の入口になります」と熱い口調で語った。

 SKE48の責任者である株式会社ゼストの田村謙典本部長は「48グループの最大の武器は専用劇場だと思います。名古屋・栄の劇場からエンタメを発信していく。そこはぶれずにやっていくつもりです」と今後も劇場公演に力を入れていく方針。AKB48の既存楽曲で構成されているチームE「SKEフェスティバル公演」(2016年9月開始)の立ち上げにも関わった田村本部長は「スタッフがどれだけ頑張っても30点分までしか公演の成功にはつながらない。残り70点分はメンバーの力にかかっている。SKEフェスティバル公演はチームEのメンバーが意識を高く持ち向上させてきたことで人気公演になった。おかげさまで(チームS公演の)観覧応募の倍率はたいへん高くなっています。これからメンバーがこの公演をどれだけ自分たちのものにしていくか、盛り上げていくかが重要。新公演の成功はそこにかかっていると思います」とチームSメンバーに大きな期待を寄せている。

 新公演をスタートするには楽曲や衣装の制作など多額の初期費用がかかるが、公演アルバムの売り上げが好調で、ネット配信の契約者数も増加中とあってすでに制作費の8割ほどは回収できているという。となればチームSに続いてチームKⅡやチームEも新公演開始となるのか?「新公演はチームSだけということはないです。チームSを見て改めて若いメンバーたちが新公演でオリジナルのポジションや衣装を得たことによって意識がどう変化していくのか、ということを考えるようになりました。もちろん3チームとも(オリジナルの)新公演をやります。現在も(次の新公演に向けて)動いているところです。公演だけでなくその他の活動についても攻めていくつもりです」(田村本部長)というだけに今後の展開にも注目だ。