G党に朗報だ。巨人の助っ人、アダム・ウォーカー外野手(30)が結果を残している。打棒はもちろん課題の守備でも著しい成長をみせ、球宴にも初出場が有力視されるほど。単年契約で推定年俸3400万円の格安助っ人の評価はウナギ上りで「ジャパニーズドリーム」をつかみつつあるウォーカーだが、球団はオフの争奪戦を防ぐためしっかりと〝ガード〟していることが判明した。

 ヤクルトを追う2位・巨人が、パドレス傘下3Aエルパソの左腕イアン・クロル投手(31)の獲得に動くことが4日に明らかとなった。その狙いは、今季の課題だった左の救援投手を緊急補強し、13・5ゲーム差の追撃態勢を整えることだ。

 その巨人で久々の〝大当たり助っ人〟となっているのがウォーカーだ。打率2割9分9厘(リーグ8位)、16本塁打(同5位タイ)、36打点(同10位タイ)と外国人選手として両リーグでもトップクラスの成績を残している。

 課題だった左翼守備も亀井コーチによるマンツーマン指導が実を結びつつある。原監督は「8月くらいにさらにうまくなっていると思います」と〝予言〟していたが、先月28日の中日戦(山形)では4回二死一、二塁で左前打を本塁へノーバウンド返球。「ウォービーム」で補殺に成功した。

 米独立リーグ出身でメジャー未経験のウォーカーが日本野球に1年目で順応。26日ペイペイドーム、27日松山で開催される球宴にも、監督推薦による初出場が有力視されている。注目度は増す一方で、オフにはメジャーやDHのあるパ球団との争奪戦を心配する声も上がっていた。

 だが球団関係者は「ウォーカーは単年契約ですが、来年については球団側が契約のオプションを持っていると聞いています。今季も年俸は低いけどしっかりと出来高がついているそうで、本人のモチベーションは非常に高い」と明かす。

 巨人の助っ人ではこれまでも前例がある。21年に国内最速166キロをマークしたビエイラは19年オフに「半分は育成として」(球団関係者)推定年俸5000万円で獲得。ファームで制球力の改善が見られたことから、契約延長のオプションを行使し、推定年俸7000万円で2年目の契約を結んだ。ウォーカーにも同様のオプションが結ばれている模様だ。

 ウォーカーの補殺に亀井コーチは「涙が出そうになった」と喜んだ。ウォーカーも「(守備は)少しずつ毎日改善してますので、それは実感しています。亀井さんを喜ばせることができたことも自分としてはうれしいです」と師弟の絆は深い。

 巨人の水が合った様子のウォーカー。このまま順調に成長し巨人の顔になれるか楽しみだ。