【2021プロ野球残念案件】中日はおろか球界内外に大きな波紋を広げたのが元中日二軍投手コーチの門倉健氏(48)の失踪騒動だ。音信不通状態が続いたため連日、全国放送のワイドショーで〝令和のミステリー〟として取り上げられ、謎が謎を呼んだ。

 発端は門倉氏が5月15日に二軍練習を無断欠勤し、愛知・豊田市内の自宅マンションにスマホと財布を置いたまま行方不明となったことだ。翌16日には心配した家族が愛知県警に捜索願を提出。その後、同20日付の消印で球団に退団届が郵送され、家族によって本人の直筆と確認されたため、球団は同26日にこれを受理した。

 当時は「謎の失踪事件」として、何らかのトラブルに巻き込まれたのではないかと安否を気遣う声が高まるとともに、借金説や駆け落ち説など諸説入り乱れ、世間からの関心を集めた。

 いったん6月6日に家族の住む横浜市内の自宅に戻り、これを妻がブログで報告したが、うつ病と診断されたと明かした。ところが、これで問題解決と思いきや、その約2週間後、門倉氏はまたもや失踪してしまった。

 すると、同21日に再び帰宅しながら、その2日後にまたまた姿を消してしまう。ところが、7月28日深夜に突然、ユーチューブで動画を公開し「ファンの皆さま、中日ドラゴンズ関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くおわびします。本当にすいませんでした」と謝罪。

 さらに「私の不徳の致すところであり、日々猛省しています。私としてはここで一度立ち止まり、自分の人生を見つめ直していきたいと思っております。40年間、野球一筋で生きてきた私にこれから何ができるかわかりませんが、生まれ変わったつもりで精いっぱい頑張っていきたいと思っております」と説明した。

 その上で「このような形で球界を去ることになってしまい、とても申し訳なく思っています」と涙ながらに訴えたが、自宅に戻ることはなかった。

 3度も失踪を繰り返して8月には「週刊文春」で北陸地方の海水浴場の海の家で働いていたと報じられたが、それ以降の行方は分からずじまいのままとなっている。

 当時、失踪の動機などは謎に包まれていたが、関係者の間では「結局のところは不倫が絡んだ女性問題のようだ」という声がもっぱらだ。今も門倉氏の帰りを家族は待ち続けているとされるが、世間を騒がせた失踪劇が決着する日はいつ訪れるのか。