阪神よ、ボーアは絶対に残すべきだ! バレンティン育てた伊勢氏が断言

2020年10月24日 05時15分

ボーアのファイアボールポーズは来季も見られるのか…

 助っ人の見極めは慎重に――。シーズンも最終盤に突入し、ベテランや外国人選手の去就に関する報道がメディアをにぎわせている。阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)もその一人。22日に出場選手登録を抹消されるや、一部で今季限りでの退団を報じられた。来日1年目の今季99試合に出場し、打率2割4分3厘、17本塁打。推定年俸2億7500万円に見合う成績か球団も判断に迷うところだろうが、本紙評論家・伊勢孝夫氏は過去の経験から独自の見解を示した。


 結論から言えば、阪神は絶対にボーアを残留させるべきだ。長らく打線の中軸を担ってきた福留の退団が決定的で、残留が確実視されている糸井も衰えが見えてきた。チームは若返りに向けた過渡期を迎えており、安定した打撃成績を期待できる助っ人大砲は必要不可欠だ。

 ボーアは開幕から18打席連続無安打と苦しんだものの、夏場以降は多彩な変化球と低めへの制球を軸とした緻密な日本野球に適応できるだけの対応力をみせてくれた。左打者に不利とされる甲子園を本拠地としながら、99試合で17本塁打した点も評価したい。144試合に換算すれば単純計算でシーズン25発前後という数字になり、NPBに慣れた来季はそれ以上の数字も見込める。

 若手育成という点でも助っ人大砲の力は借りたい。人気球団で目先の勝利も求められる阪神では「勝ちながら若手を育てる」ことが求められる。16日のヤクルト戦でプロ初安打初打点をマークしたドラフト2位ルーキーの井上などは打撃に非凡なものを感じさせ、オリックス・吉田正に匹敵する素質の持ち主だと思うが、簡単に一本立ちできるものでもない。大山とボーアの2人が打線の中核を担ってこそ、若手はのびのびと自分の打撃に集中することができるようになるはずだ。

 たびたび比較されてきたバースも含め、近鉄で来日4年目に本塁打王となったローズや、ヤクルトで来日3年目に3年連続のキングをNPB記録の60本塁打で飾ったバレンティンも日本球界に慣れていくほど数字を伸ばし、偉大な打者へと成長した。

 新型コロナ禍にあってボーア以上の長距離砲を新たに獲得できる保証はない。阪神球団の懐事情まで知る由もないが、今年と同等の年俸を払ってでも引き留めた方が得策だと思う。

(本紙評論家)